プロ野球開幕は緊急事態宣言延長で7月以降に…「日本シリーズ12月ドーム開催で120試合確保を」と掛布氏提言
「野球協約で2月1日から11月末までが選手契約期間として定められていますが、選手会と協議の上、特例として、レギュラーシーズンを11月末までめいっぱいやって、日程によっては、クライマックスシリーズは中止、短縮させ、日本シリーズだけを12月に気候の影響を受けない中立地のドームで全試合を行うという日程に変更してみてはどうでしょうか。本来なかったはずの12月という時間を使えば、今後、開幕が7月中旬くらいまで遅れることになったとしても120試合消化は可能ではないでしょうか」 従来のスケジュールで行けば、シーズン終了は10月17日で、クライマックスシリーズのファーストステージは10月24日から始まる。そして日本シリーズは、11月7日からセ・リーグの本拠地からスタートとなっている。 もし日本シリーズを12月に開催できるのならば、クライマックスシリーズを短縮するなどして、ほぼ1か月間の日程が空く。休養、移動日を4日入れても27試合の消化が可能となる。そこから逆算すれば、7月中旬まで開幕が延びたとしてもレギュラーシーズンの120試合を消化することは可能だ。オールスターを中止にしても、せいぜい2、3試合分の余裕しかない。日本シリーズ12月開催プランが実現すれば日程を組みやすくなる。 気候の影響を受けない札幌、東京、メットライフ、ナゴヤ、京セラ、福岡PayPayの6カ所のドーム球場を移動リスクを少なくする中で、うまく使えば、日本シリーズ12月開催案は不可能なアイデアではない。 まだ開幕が見えていないメジャーリーグもワールドシリーズを12月上旬まで遅らせるプランが検討されているほど。 クリアしなければならないハードルは、野球規約で定められている選手の参稼報酬期間の問題。それには選手会の意向が大きく影響してくる。 掛布氏は、こんな見立てをしている。 「このままシーズンが成立しなければ選手の年俸にも大きな影響が出てくる。球団はすでに大打撃を受けているし、当面、無観客でスタートするならば、収入も激減し、選手の年俸削減は、今後のテーマになってくるだろう。選手会サイドも、年俸を維持するためには、ある程度の譲歩も必要で、特例にも応じるのではないでしょうか」 新型コロナに負けず、安全と健康を確保した上で、プロ野球を我々のもとに取り戻すには、大胆な発想と変革が必要になってくるのかもしれない。プロ野球は予定通りに11日に「新型コロナウイルス対策連絡会議」と12球団代表者会議を開き、開幕日、日程を含めた今後のプランについて協議することになっている。