輪島功一氏の孫・磯谷大心が判定勝ち 2年前に敗れた相手にリベンジ成功でA級昇格
◆プロボクシング ダイヤモンドグローブ▽ウエルター級(66・6キロ以下)6回戦 〇磯谷大心 (判定) 松野晃汰●(4月9日、東京・後楽園ホール) 元WBA、WBC世界スーパーウエルター級(69・8キロ以下)王者・輪島功一さんの孫、磯谷大心(輪島功一スポーツ)が、2022年の全日本新人王・松野晃汰(神奈川渥美)に判定勝ち。A級昇格を決めた。 戦績は22歳の磯谷が6勝(5KO)3敗、22歳の松野が3勝(2KO)3敗。 「松野選手は『A級の壁』だと思って、それを越えていきたい」。磯谷は強い思いを胸にリングに上がった。リングサイド最前列で祖父の輪島さんが見守る中。2回、ジャブ2発から右を打ち込むと、最初のダウンを奪った。「手応えはなく、スラッと入ったけど、練習してきたパンチだったので」。元サッカー選手らしく、両手を広げてC・ロナウドのポーズだ。 4回には相手の打ち終わりを左でとらえて2度目のダウンを奪取だ。松野もジャブや右で反撃を狙ったが、決定打を奪えず、試合は判定へ。57―55、58―54、58―54の3―0で、磯谷に軍配が上がった。 「ずっと松野君に勝ちたかった。まだ彼の壁を越え切れていないけど、ちょっと自信がつきました」と磯谷。2022年11月の東日本新人王決勝で4回TKO負けした相手に、見事にリベンジを決めたが、父の和広トレーナーの採点は「パンチはよく見えていたが、最後攻められたので50点」と手厳しい。だが、笑顔の激辛採点に、磯谷も納得の笑顔で返した。 松野戦の後、磯谷は連敗。だが、経験値を積むことで自身のボクシングに幅ができた。昨年12月には浜野秀平(E&Jカシアス)に3回TKO勝ち。B級初勝利で連敗を3でストップした。 松野への雪辱を胸に、積極的にスパーリング相手を求めて出稽古に出た。元日本、東洋太平洋、WBOアジアパシフィックのライト級(61・2キロ以下)王者で6月17日に再起戦を予定する吉野修一郎(三迫)の胸を借りたが、約20ラウンドの実戦練習で「間の取り方、タイミングとか、すごく勉強になった」という。 涙混じりの笑顔でリングを降りた磯谷。「うれしいです。判定でも勝ったので」。勝利すべてがKOとはならなかったが、晴れてA級昇格。さらなる目標に向けて勝利を重ねていく。
報知新聞社