初戦開催地未定の緊急事態にも慌てず騒がず、パリ五輪へ、なでしこ池田監督「国立で勝ち取る」
キックオフ16日前に開催地が決まらない緊急事態にも、なでしこジャパンは動じない。2月8日、『パリオリンピック2024 女子サッカー アジア最終予選』に臨むなでしこジャパンのメンバーが発表された。記者会見に出席した佐々木則夫JFA女子委員長、池田太監督は次のように抱負を語った。 【全ての写真】記者会見に出席した池田太監督、佐々木則夫JFA女子委員長 佐々木委員長「本日『パリ五輪最終予選』の大事な試合ということで、JFAとしてチームを最大限のサポートしていく。『W杯』を戦い、『パリ五輪』への出場権を獲得して、女子サッカーを盛り上げて、みなさんに感動を与えたい。 AFCより2月24日(土)の第1戦の会場について中立地で開催するよう通知がDPRコリア(朝鮮民主主義人民共和国)にあった。DPRコリア発着の定期便が飛んでいないのと、ロジ周りで不透明な点が多く、AFCから通達があった。現在AFCとDPRコリアで調整中ということでJFAとしても決定を待っている状況。これらの確定情報はAFCから更新があり次第、お知らせしたい。 ホームゲームは予定通り2月28日(水)・国立競技場で開催する。20年前、『アテネ五輪』の出場権をかけたアジア最終予選のDPRコリア戦も国立競技場で行われた。その際はなんと3万1324人もの来場者が訪れた。今回その数字を上回るみなさんに声援を送ってほしいと思っている。現状の券売状況は1万人くらい、しかもアウェイゴール裏がかなり埋まっているとのことなので、ホームの雰囲気を作っていただき、多くのサポーターになでしこを後押ししてもらいたい。2月28日は水曜日なので、ノー残業デーで国立に足を運んでもらって、なでしこジャパンの後押しをぜひお願いしたい」 池田監督「今回『パリ五輪』に向けての最終メンバーを発表させていただく。この2戦しっかり勝利し、そして『パリ五輪』へのキップを取ること。国民の『五輪』にかける熱量に応え、なでしこジャパンの躍動する姿を見せることが、女子サッカーの発展のつながると思うし、我々が世界一を目指して戦っている姿を見ていただくことで人々の心に感動や喜びを与えられるではと思っている。 この『五輪』に出場することが女子サッカーの発展に重要な位置付けとして覚悟を持って臨みたい。今委員長が話されたように、開催地の問題があるが、第2戦・国立でみなさんとぜひ勝ち取っていきたいと思うので、応援を含めてぜひ力を貸していただければと思っている」 【なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー】 【GK】 山下杏也加(INAC神戸レオネッサ)65試合63失点 平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)7試合9失点 田中桃子(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)7試合2失点 【FP】 熊谷紗希(ASローマ/イタリア)147試合2得点 田中美南(INAC神戸レオネッサ)75試合34得点 清水梨紗(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)73試合4得点 清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース)16試合6得点 上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ)10試合1得点 長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド)78試合20得点 杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC/アメリカ)46試合3得点 林穂之香(ウェストハム・ユナイテッド/イングランド)31試合2得点 南萌華(ASローマ/イタリア)46試合4得点 長野風花(リバプールFC/イングランド)33試合1得点 千葉玲海菜(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)8試合3得点 中嶋淑乃(サンフレッチェ広島レジーナ)5試合2得点 植木理子(ウェストハム・ユナイテッ/イングランド)30試合11得点 高橋はな(三菱重工浦和レッズレディース)22試合2得点 遠藤純(エンジェル・シティFC/アメリカ)44試合5得点 石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース)6試合0得点 藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)17試合3得点 谷川萌々子(FCローゼンゴート/スウェーデン)2試合0得点 古賀塔(フェイエノールト/オランダ)2試合0得点 ※所属の後の試合数・得点・失点は国際Aマッチの数字。 猶本光と宮澤ひなたをケガで欠き、上野が復帰した点を問われると、池田監督はこのように返答した。 「今まで戦ってくれた選手、ケガは付き物だとは言え、乗り越えないといけない部分かと思っているので、早い回復を望んでいる。今回選んだ選手たちには自分の持っているものを出してほしい。上野選手は『WEリーグ』、『皇后杯』でのパフォーマンスもよかったし、『アジア競技大会』でDPRコリアと戦っている。攻撃の選手ではさまざまなタイプの選手をさまざまな配置で用意し、2戦の短期決戦で戦うので、その中で自分たちがやれること、バリエーションを考え、彼女のボールのいいタイミングで受けられることやゴール前の感覚、最近はゴールのスコアーを取っていることを含めて招集させてもらった」 指揮官の北朝鮮評はこうだ。 「私もスタッフも分析の中で印象は一人ひとりの走力、ゴールへ向かうプレー、ロングボールを使った背後のボール、ゴールへ向かう勢いがあり、ゴールへの推進力があり、人にも強い印象がある。我々は十分な準備をしないといけない。攻撃では相手の強くくる守備を逆手に取れるような相手のプレッシャーをうまくかいくぐれるようなボールの動かし方でゴールを取れるようにしていきたい」