市長退職金は市民の投票で100点なら2039万円、0点だったら…22円にします
市長の退職金額を市民が決めるインターネット投票が、茨城県つくば市で行われている。公約の実施状況や市政運営について、市民が10点刻みの11段階で評価し、結果の平均点が退職金額に反映される。市によると、全国初の試みという。
16日に2期目の任期満了を迎える五十嵐立青(たつお)市長(46)(10月27日の市長選で3選)の発案。平均点が100点なら退職金は満額の2039万4000円、0点なら22円となる。
投票できるのは、電子証明書機能が利用できるマイナンバーカードを持つ15歳以上の市民で、市が提供するスマートフォン用アプリを使う。スマホがなくても、市内の窓口センターで投票できる。期間は1~11日。
市長の退職金は通常、退職日の月給に、勤続期間に応じた支給率(4年だと22)をかけて算出する。地方自治法などに抵触する恐れがあるため0円にはできず、五十嵐市長は廃止を公約に掲げた1期目は22円と決め、事実上受け取りを辞退した。
2期目の今回は「市民の意見を正確に反映させられる」として、ネット投票で決める条例案を市議会に提出。議会では「研究学園都市として新たな取り組み」「市長個人のために市職員の仕事を増やすべきでない」など賛否が分かれ、議長が賛成に回って可決された。
地方自治に詳しい慶応大の保田隆明教授は「市民に、市政を『自分ごと』として考えさせることができる仕組みだ」と評価している。