【解説】真冬の避難生活3万4000人超 私たちにできる支援は…
■冬場の避難生活の留意点
鈴江キャスター 「石川県では日曜から雪が予想されるなど厳しい寒さとなりそうです。避難生活が長期になることも考えられます。冬場の避難生活でどんなことに注意が必要ですか?」 東京大学大学院・客員教授 松尾一郎氏 「冬場の避難所というのは、皆さん、経験すれば分かることですが、床が冷たいんですよ。何が起こるかといえば、床が冷たい…肌が直接触れる。そういうところでの寝泊まりを強いられる。そうするとエコノミークラス症候群を発症するんです。これは、熊本地震の例を見てもそうですが、実際に地震で直接亡くなった方の5倍、6倍の災害関連死が起こる。エコノミークラス症候群を含め、疾病、感染症に罹患(りかん)し、亡くなる方も多かった。それをなくすためには早く段ボールベッド含め、被災地に持ち込んで、避難所の環境をより良くすることが大切です」
■広域避難の推進を…
東京大学大学院・客員教授 松尾一郎氏 「もっと重要なことは、親戚知人含めじいちゃん、ばあちゃん、お父さん、お母さん、石川に、被災地にいらっしゃるでしょう。これを避難疎開するということが必要だと思います。温かい食事、温かいお風呂、しっかり安全に、余震がないところで寝泊まりする。そういった取り組みが必要です。これは国しかできない。それをぜひ全国でやっていただきたいし、私たちも伝えていきたい」 鈴江キャスター 「なかなか陸路を使って遠くに行くというのが現状では難しい状況ではありますが…」 東京大学大学院・客員教授 松尾一郎氏 「だけど4日夜中に幹線道路を開通できれば、何とかバスで、被災者の中で高齢者の方をより安全なところに。東京でもいい。ホテルでも旅館でも、これは国が支援するしかないと思う。こういう取り組みをぜひやっていただきたい」 鈴江キャスター 「いわゆる広域的な避難ですね。そしてまた避難生活を車の中で過ごしている方もいると思うのですが、注意点をお願いします」 東京大学大学院・客員教授 松尾一郎氏 「軽自動車とかこぢんまりとした車に乗ると、寝返りが打てない。寝返りが打てないと運動ができない。そうすると大体、車の中で車中泊をされる方は水をあまり飲まない。トイレに行きたくない、行けないから。そうすると血液も濃くなる。肺血栓塞栓症になって、エコノミークラス症候群で亡くなる方も増えます。なので、車中泊をする場合は必ず1時間に1回は運動をする。水は拒否しない、トイレは常に使う。使い続ける。そういうことをぜひやっていただきたい」 鈴江キャスター 「車中泊でもそうですが、非常用電源ということで、発電するときの一酸化炭素中毒にも注意が必要です」 東京大学大学院・客員教授 松尾一郎氏 「やはり電気がないから、発電機でもって電気を起こしていろんな暖房器具を使ったりと、無理をしちゃう。ところが発電機はそこでガスが燃えているわけですから、一酸化炭素も含めて発生しているので、これは絶対に室内でやらない。練炭も室内でやらないことが必要です。そういう発電設備は外に置いて、室内ではきれいな空気の環境の中で過ごすということが必要です」 鈴江キャスター 「様々な点で注意が必要です」