子どものバレー練習会場で指導者が心肺停止…保護者らが心を一つにした救急隊到着までの15分間 福井
バレーボールの練習会場で心肺停止状態となって倒れた男性を蘇生したとして、福井県の大野市消防本部はこのほど、大野市、勝山市の男女5人に感謝状を贈った。 5人は、大野市消防団結の故郷女性分団員の佐々木千鈴さん(47)、障害者施設職員の川端洋平さん(40)、看護師の澤田布由美さん(43)=いずれも大野市=と、会社員の中村知子さん(41)、理学療法士の田中和徳さん(47)=ともに勝山市。 同本部などによると、昨年12月25日午後8時20分ごろ、大野市内の施設で同市、勝山市、永平寺町の女子バレーボールスポーツ少年団の選抜選手の練習を見学していた勝山市のスポ少の50代男性指導者が意識を失い倒れた。 スポ少のコーチや保護者の5人は、とっさに連携。田中さんは男性をあおむけに寝かせ、澤田さんは血圧低下を防ぐため足を上げた。川端さんが自動体外式除細動器(AED)で蘇生する間に佐々木さんが119番通報。中村さんは到着した救急隊を誘導した。 田中さんが心臓マッサージを始めると意識が回復した。救急隊が到着するまでの約15分間、連携して心肺蘇生法を施したことで男性は一命を取り留めた。1月まで福井市内の病院に入院したが現在はスポ少の指導ができているという。 大野市消防本部で感謝状贈呈式が行われ、藤田康司消防長は「皆さんの勇気や迅速で的確な処置で尊い命を救うことができた。チームワークが良い結果に結びついた」とたたえた。田中さんは「最初は気が動転したが、考えるよりも体が先に動いた。周りの人が助けてくれたおかげで冷静に対応できた」と話した。