南信州芸人の実力示す 善光寺も題材の劇「とくさ太夫」松代で上演【長野県】
南信州地域のアーティストでつくる「とくさ太夫一座」が9日、長野県阿智村園原の特産物だった植物「木賊(とくさ)」と善光寺にまつわる寸劇「とくさ太夫」を長野市松代の文武学校で上演し、北信地域を中心とした県内外の80人超を楽しませた。 パントマイムの第一人者、清水きよしさんの喜寿祝い公演「空間の詩人」(実行委員会主催)のゲストとして、主催者の依頼に応えて出演し、人形と道化、狂言、和洋音楽を融合させたオリジナル作品で笑いを誘ったほか、一座のメンバーで音楽的道化師の「ましゅ&Kei」の短編も試演した。 会場周辺に住む来場者からは「南信州の芸能がこれほどすごいとは知らなかった」「東北信でも上演してほしい」という声が寄せられ、一座のメンバーは「園原や昼神温泉のPRにもなった」と成果を喜んだ。 ましゅ&Keiとは新人時代から面識がある清水さんは、飯田市に拠点を移した2人が芸の幅を広げ、ジャンルを超えた新しい試みに挑戦している姿に驚いた表情を見せたという。 「とくさ太夫」は、室町時代末期の狂言本に載っていた「木賊」のあらすじをもとにしたユニークな寸劇。阿智村在住の舞台芸能師、加藤木朗が脚本を書き、百鬼ゆめひな、狂言の熊谷安博さん、おはやしユニット「羽化連(うかれ)」、ましゅ&Keiが膨らみを持たせた。 昨年9月に阿智村中央公民館で初めて演じ、今後はいいだ人形劇フェスタ(8月4日に鼎文化センターで2回公演)など各地で披露する予定。 一座の面々は「善光寺も出てくる作品なので、引き続き長野市周辺など東北信でも上演できたら」と話し、次のオファーに期待している。