快進撃を続ける佐野勇斗が振り返る過去と今「ただがむしゃらだった」
自分に対しては一番厳しく観てしまう
今や、「役者・佐野勇斗」は欠かせない存在だ。特に2020年代に入ってからは話題作への出演が続いている。 3月23日に誕生日を迎え、26歳となる佐野。役者としての20代前半を振り返ってみてどうかと尋ねると、「そうですね……」と考え込む表情を見せた。 「役者のみなさんがよく言われているかもしれないんですけど、ただがむしゃらでしたね、いま思うと。たぶん、そのときどきの自分のベストは尽くしていたとは思うんです。グループ活動はもちろん、いろんな仕事をやりながら、吐きそうになりながらもやってたんですけど、ちゃんと向き合えていたのかな? という気持ちもあります。でも、まずは頑張ったな、と昔の自分を褒めてあげたいですね」 ストイックさが垣間見えるが、役者としての自分に一番厳しい目線を向けているのはやはり佐野自身だ。 「この発言が浅いのかもしれないんですけど、深みを出したいな、と思うことが多くて。表面上だけのような気がするんです。やっぱり、自分に対しては一番厳しく観てしまうので、今までの演技を観ていると『ちょっと軽いな』とは思います。頑張っているつもりなんですけど、深く台本を読み込むだけじゃなく、さらに役の人生を考えていったら芝居に深み出るのかな、ということは、最近よく考えますね」 途上の最中だと、むしろ自分自身への成長には気づきづらいのかもしれない。今回、三木監督と仕事をするのは2回目となる佐野。デビュー作となる映画「くちびるに歌を」は三木監督が手掛けている。 「監督とご一緒するのが楽しみだった」と言う佐野に監督にかけられて印象的だった言葉を聞くと……。 「今回、何度か泣くシーンがあるんですけど、そこで三木さんが『本当に成長したね、なんだかパパの気持ちだったわ』と言って下さったんです。デビュー作のときには泣けなかったんですよね。とんでもない数の大人に囲まれて、その中で泣く演技でめちゃくちゃ苦しんだことが記憶に残っていて。そこで『本当にいろいろ経験して成長したんだな』と言ってくださったのは覚えています」 発展を続ける彼を周りが放っておくはずがない。朗らかに話しつつも垣間見える自分に対する厳しさは、どのように自身に反映していくのだろう。 最後に、今後の役者としての目標は? と問いかけると「アカデミー賞」と即答した。きっとその目標も実現させる姿を、遠くない未来に見せてくれるかもしれない。 撮影:木村直軌 取材・文:ふくだりょうこ ヘアメイク:望月光(ONTASTE) スタイリング:伊藤省吾(sitor) <作品情報> Amazon Originalドラマ『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』 配信開始日:3月22日(金) よりPrime Videoにて世界独占配信 話数:本編8話(1話約30分) 制作総指揮・脚本:ヤルン・トゥ、ザック・ハインズ 監督:三木孝浩 キャスト:佐野勇斗、吉川愛 ほか (C)2024 Amazon Content Services LLC or its Affiliates