伝説の番組が18年ぶりに復活 抜群に高い完成度も〝おなじみ〟過ぎて…頼んだよ、有馬さん!「新プロジェクトX」
【TV視てますか?】 〝伝説の番組が帰ってくる!〟〝18年ぶりに復活!〟などと、かなりの鳴り物入りで、NHK「新プロジェクトX~挑戦者たち~」が始まった。6日の第1回は「東京スカイツリー」。 【写真】「新 プロジェクトX 挑戦者たち」でナレーションを務める田口トモロヲ 旧作「プロジェクトX」の人気作の一つが「東京タワー」だった。鳶(とび)職たちの熱いドラマが泣けた。「スカイツリー」も主役は鳶職たち。余談だが、放送翌日の7日、陽気に誘われて花見がてら、海岸まで散歩した。砂浜に腰掛け、カレーパンをかじっていたら、疾風とともに右手からパンが消えた。目の前を大きな鳥が悠然と飛び去っていった。やられた。トンビに油揚げならぬ…。 だが、前夜見た鳶職たちの笑顔が思い出され、「こいつぁ、春から…」。今度の休日はスカイツリーに登ってみようか! とは言うものの、第1回の85分間はアンビバレント(二律背反)な思いを禁じ得なかった。中島みゆきのおなじみの歌2曲、田口トモロヲのナレーション、全体の構成…どれも旧作を踏襲している。そのため完成度は抜群に高く、ヘタなドラマよりドラマチック。だが、その分、ドキュメンタリーとしては実に危なっかしい。 旧作の終了後、「チコちゃんに叱られる!」など、いろんな番組で〝田口節〟のパロディーを何度も見せられたから、今回、〝本物〟なのに邪念を覚える。しかも、旧作はドキュメンタリーなのにドラマ性を強調しすぎ、〝過剰演出〟ととられかねないケースがあった。田口のせいではないのだが、〝紋切り型〟の〝断定口調〟や〝言葉の強さ〟が輪をかけてしまっていた。今回も、それらの安易な〝焼き直し〟をしてはいないか。 放送直前の特番でMCの森花子アナが中島みゆきからのメッセージを代読していた。 <どんなに時は流れ どんなに地図は塗り替わっても どこかの片隅で着実に人間を支え続けている人間たちを この「新プロジェクトX」がこれからも見守ってくれることを信じたいと思います> MCの有馬嘉男氏は「しっかりと受け止めました」。頼むよ、有馬さん! (新橋のネクタイ巻き)