<速報>広島・新井が本塁打ゼロ4番の汚名返上
12球団の4番打者で、ただ一人、本塁打を打っていなかった広島の新井貴浩(38)が9日、甲子園で行われた対阪神戦で、その汚名を返上した。1-0のリードで迎えた5回二死二塁。先発の能見に対して、ボールカウント3-0と打者有利なカウントから、ストライクをとりにきた外角の138キロのストレートを見逃さず左中間へ特大の今季1号2ラン。待望の初アーチが、貴重な追加点となったとあって、三塁ベースを回る際に、新井は、珍しく歓喜の雄たけびをあげた。 「打ったのはストレート、その前の打席でチャンスでランナーを返せなかったので、何がなんでも返そうという気持ちで打席に立った」とは、新井のホームラン談話。 28試合、96打席目にようやく出たホームラン。広島では、2007年10月7日のヤクルト戦以来となるアーチだった。 8年ぶりに阪神から広島に復帰したが、開幕は右肘痛で出遅れた。昨季の本塁打王のエルドレッド(34)が故障で長期不在、新外国人のネイト・シャーホルツ(31)が日本野球に対応できずに、4月17日の中日戦から新井が4番に抜擢された。5月に入ってからは4試合連続マルチで、3試合で7打点をあげるなど、絶好調。打率も一時、3割を超えるほどの勢いでチームに貢献してきたが、ホームランだけが出ていなかった。 4番打者には、ホームランは不可欠要素だ。相手のバッテリーに恐怖感を与え、前後の打線への波及効果もある。また、この試合の2ランのように、ゲームの流れを大きく変える重要な役割がホームランにはあるのだ。 新井自身も、本塁打ゼロの状況に関して「大きいのが欲しい」と嘆いていた。 「ホームランが出ない。気持ちの中で、(4番ということを)意識してしまっているのかもしれません。でも、ホームランを狙ってよかったためしがないんです」とも語っていたが、ホームランの打てない4番打者の汚名を返上したことで、メンタル面に余裕が生まれたのか。 新井は、7回一死二、三塁のチャンスでも松田のカーブをセンター前へ2点タイムリー。さらに2点を追加して、この日、4打点の大暴れ。ただ、左手に異常を訴えて、次の回の守備機会から退き、検査のため病院に直行した。明日、10日の阪神戦の試合出場は様子を見ながらになるという。