暴飲暴食続けた彼が40代で直面した「散々な」現実 「トイレの便座が割れた」ぐらい太って体がガタガタと壊れた
血圧や血糖値、中性脂肪の数値もよくないし、立派なメタボである。そういえば、この頃はタクシーをよく使っていたし、すべてがめんどくさく感じていた。 総合病院に通院し始めると、私はやせたり太ったりを繰り返して、忙しくなった。それには理由がある。 数値が悪いと主治医に怒られ、そのときは反省してダイエットして減量に成功する。その生活を続ければいいのだが、数値がよくなってほめられると、またしばらく暴飲暴食して体重が増える。こんなことを繰り返していた。
正直、この頃はやせようと思ってちょっとがんばれば、体重はすぐに落ちていた。やせと肥満を行ったり来たりで自由自在だ。極端なダイエットに挑戦してやせすぎてしまったこともある。 ■ダイエットするときの目標体重 ちなみに、身長177cmの適正体重は68kgらしい。68kgというと私が高校生のときの体重だ。その頃の写真を見ると、さすがに貧相だし、やせすぎている。体の見た目を商売にするモデルでも俳優でもないので、特に見た目は気にしない。血液検査の数値さえよければいいと私は考えた。
そして、自分自身の体感では、スッキリ見えて、体もラクで、(薬は飲んでいるが)数値も健康的な体重は、75kgだと感じた私は、ダイエットするときは75kgを目標にしていた。 病院に通いながらも、仕事が忙しいので暴飲暴食は繰り返していた。その結果、数値が悪くなると反省して、通勤に自転車を使う。するとすぐにシュッとやせた。 太っている時期は動くのがめんどうなので、運動はしていない。好きな銭湯にも行かなくなる。歯も磨かなくなる。歩いて5分の近所のスーパーの買い物も車を使う。布団の中に入るのもめんどうなので、ソファで寝ることもあったほどだ。
そういえば、トイレの便座が壊れたこともあった。 ■白澤卓二医師からのアドバイス 加齢とともに体の状態は悪化する 早めに対応すればまだ間に合う 睡眠時間を削り、暴飲暴食を続けていれば、当然、体の状態は悪化していきます。血糖値、血圧、中性脂肪、肝機能など血液の状態が悪化しますし、体重が増えると腰やひざの痛みを感じるようになります。 走ろうとしても走れない、それも無理からぬことです。とはいえ、主治医に怒られるとすぐに体重が減るというのはすごいことです。食事や運動など、生活習慣を改善することができるのでしょう。
生活習慣病は、すぐに命に関わるものではありません。長年、その状態が続くことで血管に負担がかかり、深刻な合併症を引き起こします。1年でも1日でも早く、病気を招く生活習慣を改めることで、そのリスクはかなり下がります。 やせて数値がよくなった状態をキープできるのが理想ですが、数値が悪くなったからといってあきらめるのではなく、また節制する、その繰り返しが大切です。 (白澤卓二)
塚本 やすし :絵本作家/白澤 卓二 :医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長