「出演すべきか最後まで思い悩んだ」ザンドラ・ヒュラーら“加害者の日常”を表現したキャスト、監督が撮影秘話を語る 映画『関心領域』
A24製作、ジョナサン・グレイザー監督の最新作。アウシュビッツ収容所の隣で幸せに暮らす家族を描く、映画『関心領域』の特別映像が公開された。 本作の主人公はアウシュビッツ収容所所長のルドルフ・ヘスとその妻ヘートヴィヒ。この度公開されたのは“人類史上最悪の犯罪”とされるホロコーストの加害者の「普通」の日常を演じた俳優陣の撮影・演技の舞台裏に迫る特別映像。 主人公のルドルフ・ヘス役を演じるにあたり、ジョナサン・グレイザー監督から「真実を語る時は目で嘘をついて、目で真実を語る時は言葉で嘘をつくように」というアドバイスをもらったと明かすクリスティアン・フリーデルは、キャラクターについて「彼は何を考えてるのか読み取れないはずだ。彼はいたって普通で時には退屈な男に映る。加害者には見えない」と分析。 妻のヘートヴィヒを演じたザンドラ・ヒュラーは「ヘス家のことは知らなかった。出演すべきか最後まで思い悩んだ」とオファーをもらった時の心境を告白する。 そんな2人が演技に集中できるよう、ジョナサン・グレイザー監督はヘス家が暮らした空間を用意したという。演者の目に入らないよう家や庭のあちこちに無人カメラを設置し、監督らスタッフは地下で機材を操作。延々とカメラを回し続け、彼らがどのように動くかを“観察”した。 膨大な撮影データを細かく繋げていく編集作業もかなりの労力を要するが、監督は「360度どこを見渡しても居住空間が広がってる。だからリアルさが増した。撮影した映像を並び替え、伝えたいストーリーを組み立てていった」と演者の自然な動作を中心に映画を作り上げたことを明かし、主演の2人について「(ルドルフとヘートヴィヒを)今の私たちを写す鏡としてもとらえた。2人は真実を伝えることに心血を注いでくれた」と絶賛のコメントを寄せた。 映画『関心領域』は、2024年5月24日(金)より全国公開。 © Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
otocoto編集部