中国・EV大躍進のウラで「50万人の雇用」が無くなっていた…!習近平が信頼する「伝統的経済学」が、若者の失業と低賃金をまねく「3つの根拠」
習近平が引き寄せられる「経済学の罠」
中国の習近平国家主席は昨年、9月以来「新たな質の生産力」という言葉を多用している。 【写真】大胆な水着姿に全米騒然…トランプ前大統領の「娘の美貌」がヤバすぎる! 前編「中国・最先端「EV×AI」が、「大失業」をまねく皮肉…習近平が繰り返す「経済失策」が、いよいよ救いようがなくなってきた!」で紹介したとおり、新たな質の生産力とは、イノベーションが経済発展の主導的役割を果たすという新たな発展理念のことだ。 電気自動車(EV)や生成AIなどの分野で世界トップを目指すことで、中国をこれまで以上に魅力的な投資先にしようというのである。 海外メディアでも、この習氏の構想を評価する向きが出てきている。中国のGDPの20%を占める不動産に代わり、ハイテク関連が中国経済を支えるというのである。 しかし、この意見に筆者は懐疑的だ。なぜなら、この考え方は伝統的な経済思想の「セイの法則」に則っているからだ。世界的に信奉されている「セイの法則」の代表例は、高度成長期の需要拡大だ。白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫の「3種の神器」が需要を拡大した。 一方で、高度成長期はモノ不足が顕著な時代に、旺盛な需要を背景に経済を押し上げてきたともいえる。需要が供給を求めたのか、供給が需要を生み出したのか、こんな「卵が先か、鶏が先か」の議論に決着はついていない。 そして、この伝統的な経済思想は、日本が長期停滞に陥った一つの要因と筆者は考えている。
EVが奪い去った「50万人の雇用」
たしかに中国製EVは、昨年、国内外で大躍進を遂げた。しかし、その陰で非EV車が激減しているという「不都合な真実」がある。 中国では昨年、ガソリン車などの生産台数は1770万台にとどまり、2017年(2830万台)から37%も大幅減少した。ガソリン車からEVへの転換は各企業にとって至上命題だが、EV市場は既に過当競争状態にある。今後、何百ものガソリン車の生産工場が閉鎖されることが危惧されている。 EVが成長しているのにもかかわらず、中国の自動車産業の従業員数は2018年(約500万人)から50万人も減少したとの試算がある。 生成AIもブームになっているが、その普及により、用済みとなる人材が大量に発生することにかんがみれば、全体の需要は縮小する可能性があるといわざるを得ない。 新たな商品が登場して需要を喚起しても、既存の商品への需要がそれを上回る規模で消失してしまっては元の子もない。
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