国際目標「ネイチャーポジティブ」 福島県磐梯町、東北で初宣言 自然環境を保全・回復し、次世代へ継承
福島県磐梯町は29日、地域の自然環境を保全・回復し、次世代へ継承する「ネイチャーポジティブ」を宣言した。町によると、東北の自治体で初の宣言となる。 ネイチャーポジティブは生物多様性の損失を食い止め、自然を回復させるとの意味の国際目標。自然環境の保全や地元の資源を生かした地域づくり、自然との共生に向けて住民の意識を高める効果が期待される。国内では環境省が中心となって進めている。 磐梯町は日本名水百選に選ばれ、生活や産業の基盤となっている町内の湧き水、秀峰・磐梯山、里山など多くの自然がある。世界に誇れる地域資源の価値を再認識し、将来に残すための取り組みを展開する。民間の取り組みで生物多様性の保全が図られている区域を国が認定する「自然共生サイト」への登録、企業と連携した保全活動、鳥獣害が発生しにくい環境づくりなどを検討している。 宣言式は町役場で行われた。佐藤淳一町長は「磐梯町の基盤は自然であり、生物圏が揺らげば町が揺らぐ。子や孫が暮らし続けられる町をつくっていく」と述べた。
■只見は4日に宣言 衆院選で日程変更 「ネイチャーポジティブ」宣言を準備していた福島県只見町は11月4日に町内で催す只見ユネスコエコパーク登録10周年記念式典の席上、宣言を行う。 10月27日に式典を予定していたが、衆院選投開票日となったため日程をずらした。時間は午後3時40分からで、町が10年の歩みと成果を報告し、町民らと宣言する予定。