政府、防災部門定員を倍増方針 自治体支援へ各都道府県担当1人ずつ配置
政府は20日、内閣府防災部門の定員を大幅に増やし、拡充する職員の約半数を各都道府県担当として1人ずつ配置する方針を示した。来年度当初予算案に人件費のほか、物資増強や支援団体の登録制度創設など関連費を計上し、昨年度から倍増の140億円程度となる見込み。政府は8年度中の「防災庁」設置に向け、防災部門の強化方針を示していた。 同日、首相官邸で開いた関係閣僚会議で坂井学防災担当相が「予算、人員の両面で体制を大幅に拡充し、避難生活環境の抜本的改善など事前防災の充実を始めとする災害対応力の強化、司令塔機能の強化を進める」と報告した。 政府関係者によると、内閣府防災部門の定員を現在の110人から100人規模で増やす。拡充した定員の約半数を新設する地域防災力強化担当とし、47都道府県の担当者を1人ずつ置く。合わせて都道府県側に同担当と兼職する形で研修員を置き、国と都道府県の職員が連携して防災対応を行う市町村を支援する。 新設される担当は平時は備蓄物資の促進や訓練・研修、ボランティア団体との連携強化などの事前防災を進め、災害時には現地で被災状況の把握や避難所環境の確保などに当たる。 また、災害対応全般の総括として事務次官級ポストの「防災監」を新設し、政府の司令塔機能を強化。避難生活環境の改善へ向けた整備や、トレーラーハウスなど災害対応車両の登録制度、ボランティア団体の登録制度の創設に向けた準備にも拡充した人員を充てる。 政府は岸田文雄政権だった8月の機構・定員要求段階では防災監新設と定員17人増を求めていたが、石破茂政権の下で大幅増員に踏み切った。