「二重まぶたの手術」と「眼瞼下垂の切開法」の違いはご存じですか? それぞれの治療の特徴を医師が解説!
眼瞼下垂の手術をすると二重になる?
編集部: 眼瞼下垂の手術をすると、二重に戻るのですか? 林先生: 眼瞼下垂の症状が強くなると、二重ラインの引き込みが弱くなり、代償として眉毛を上げる動作によって本来の二重の幅はより広くなります。手術により挙筋機能が改善することで、二重のラインを目立たせることが可能です。また、加齢変化で腱膜が痛む(伸びる)と同時に、まぶたの皮膚にたるみが生じていることが多いので、余剰皮膚の切除を一緒におこなうことで、はっきりとした印象の目元になります。 編集部: 一重まぶたの人は、眼瞼下垂の手術をすると二重まぶたになるのですか? 林先生: もともと一重まぶたや奥二重の人も、眼瞼下垂の手術によって、はっきりとした二重まぶたに仕上げることは、切開線のデザイン次第で可能です。また、二重の幅のデザインや最終的な皮膚縫合の仕方によっては、一重まぶたのままおこなうことや奥二重にすることも可能です。 編集部: 眼瞼下垂の手術をすると二重まぶたがくっきりするということは、二重まぶた手術と同じですか? 林先生: いいえ。「眼瞼下垂の手術と二重まぶた手術は別物」と考えた方がいいでしょう。まず前提として、挙筋機能が十分でないと、しっかり引き込みのあるくっきりとした重瞼ラインはできません。眼瞼下垂手術は目(まぶた)を開ける機能改善のための手術で、その結果として二重がくっきりします。一方で、二重まぶた手術は、あくまで二重の幅を変えるだけの整容的な手術となります。もちろん二重まぶた手術の適応になる人は、挙筋機能が十分あり、ラインの引き込みは十分なためくっきりした二重になるはずです。 編集部: 二重まぶた手術は、どのようにしておこなわれるのですか? 林先生: 二重まぶた手術には、埋没法と切開法という2種類があります。埋没法は皮膚切開を最小限にして、皮膚を糸で留めて二重を作る方法です。一方で、切開法は希望の二重ラインに沿って皮膚を切開し、組織を縫合することで二重を作ります。 編集部: これらの二重まぶた手術では、眼瞼下垂は治らないのですか? 林先生: 基本的に二重ラインを作成するだけの手術操作では、眼瞼下垂の症状は改善しません。あくまで腱膜の長さの調整・修復が必要です。