サンタ医師 患者笑顔に 松本市の武内典夫さん
長野県松本市元町2の武内整形外科クリニック院長・武内典夫さん(65)は、クリスマスシーズンに合わせて、真っ赤な帽子と衣装の「サンタドクター」となって診察に当たっている。少しでも患者に和んでほしいと3年前の開院時から続けており、今年も周囲に笑顔の輪を広げている。 サンタドクターを始めたのは神奈川県平塚市の済生会平塚病院(現・湘南平塚病院)で院長を務めていた平成18(2006)年~29年の間で、音楽隊とともに病床を回り、クリスマスキャロルを披露する取り組みを企画したのがきっかけだった。通常業務の合間に準備するスタッフの負担を考え「院長がサンタになるしかない」と思い立った。入院患者はとても喜んでくれたといい「サンタクロースを非難する人はいない。世界中の指導者がサンタの格好をすればもっと平和になる」と笑う。 昭和41(1966)年にクリニックのある場所に整形外科医院を開業した父・惇さんが令和元年に亡くなり「地元に恩返しをしたい」と帰郷を決意。3年10月に開業した。社会的に全ての人を包み込み、誰も排除されることなく、全員が社会に参画する機会を持つ「ソーシャルインクルージョン」を理念に掲げる。 サンタドクターはクリニックの患者にも好評で、「先生を見るとほっとする。院内の飾り付けも楽しい」「リラックスして受診できる」などの声が寄せられている。 毎月ボランティア診療に訪れている東日本大震災の被災地・岩手県陸前高田市でもサンタドクターは人気だ。武内さんは「これからも患者さんと同じ目線で医療に取り組み、いろんな人を楽しませていきたい」と話している。
市民タイムス