中村隼人 主演の新作歌舞伎「大富豪同心」の意気込み語る 「眼目は気絶」 異例の早替わりにも言及
歌舞伎俳優の中村隼人(31)が16日、来年1月2日に初日を迎える「壽 初春大歌舞伎」(歌舞伎座)で上演される夜の部の演目「大富豪同心」の取材会を都内で行った。 原作は幡大介氏による長編小説で、19年からNHK BSで隼人主演のドラマがシリーズ化されている。江戸随一の豪商・三国屋徳右衛門の孫で放蕩(ほうとう)ざんまいの卯之吉が見習い同心として“はんなりと他力本願”に物事を解決していく姿を描く人気作だ。今回は松本幸四郎(51)と尾上菊之丞(48)の演出で、新作歌舞伎として上演される。菊之丞は振り付けも担当。幸四郎は今回が歌舞伎座での初演出となり、自身も荒海ノ三右衛門として出演する。 刃物を見るだけでも気絶する主人公役を演じる隼人は「眼目は気絶。舞台でどう表現するのかを見てもらいたい」と語った。また、将軍の弟である幸千代との2役を演じ、早替わりもある。「早替わりは普通、性別や顔の色が変わらないと面白くないと言われています。顔が似た人が、顔が似た人に早替わりする。今回は顔の色はそのままになってしまうので、とにかくスピードが大事になる」とポイントを解説した。 演出の幸四郎によると劇中の早替わりの回数は11回になるという。隣で回数を聞いた隼人は「11回?多いですね」と驚いた様子を見せた。