１６日午後、漢陽大学病院の圏域応急医療センター前。パク・ジョンソ記者

韓国政府が救急室の医療陣を増やすために人件費を支援すると、医師、看護師、救急救命士がそれぞれ４０人ほど採用され勤務中していることがわかった。専攻医離脱問題が８カ月にわたり続く中で、「貴重な医療陣」が入ってきて救急室の既存医療陣の負担を少しではあるが減らし始めたという意味だ。 韓国政府は救急室医療陣の離脱が相次いだことから、１３日から病院が医師などを採用すると人件費を予算で支援し始めた。医師は年間２億ウォン、看護師と救急救命士は年５０００万ウォンを支援する。すると１０日ほどで医師４１人、看護師・救急救命士４０人ほどが採用されたという。 採用対象の医師は必ずしも救急医学科専門医である必要はない。救急室を担当し診療すれば良い。採用された医師には救急医学科専門医が一部含まれている。その他専門医ではない一般医師、内科・外科などの専門医が混ざっている。新規採用された医師４１人のうち全国４４カ所の地域救急医療センターが採用した医師は１５人で、残りは１３６カ所の圏域救急医療センター所属だ。看護師は診療支援人材（ＰＡ）が一部含まれて、残りは一般看護師だ。 今回の事業は「先採用・後支援」で進める。病院が先に医療陣を採用して勤務させ、自治体に人件費支援を申し込むことになる。自治体は中央政府から予算を得て病院に支援する。支援金は月単位で精算し支給する。政府関係者は「救急室支援事業は先に採用するのが条件のため１３日以降に採用された医療陣はすでに救急室に勤めていると考えて良い」と話した。 韓国政府は救急室専従医療陣採用に約４５０億ウォンの予算を配分した。政府が医療陣人件費を支援するのは今回が初めてだ。今回の採用の目標人数は医師１６０人、看護師・救急救命士２４０人だ。２５日まで１次採用を完了する予定だ。だが予想より採用された人数が多くなく、採用期間を延長する。人件費支援も当分継続する。 救急室運営に支障が出ている梨大木洞病院・世宗忠南大学病院、建国大学忠州病院、江原大学病院の４カ所はまだ医師や看護師などを採用できていないことがわかった。ただ亜洲大学病院は看護師４人を採用した。 保健福祉部は２４日に全国市道保健局長会議を開き、「救急室医療陣採用にスピードを出してほしい」と要請した。特に圏域救急医療センターを置く自治体にもう少し積極的に対応することを注文した。 保健福祉部は秋夕（チュソク、中秋）非常救急対応週間が２５日に終わるが、主要対応策を当面維持することにした。個別救急室１対１専任担当官運営、健康保険酬価支援などを延長するという意味だ。１０月１日の国軍の日、１０月３日の開天節、１０月９日のハングルの日など飛び石連休が続く点を考慮した。また、連休期間に一時的に施行した圏域・専門・地域救急医療センター専門の診察料加算、重症・救急手術加算などを延長することを検討している。 ２３日基準で全国４０６カ所の救急医療機関が２４時間運営している。１５～２１日に救急医療機関を訪ねた患者は１日平均１万５３９８人だ。平時（２月初め）の８６％水準だ。韓国型救急患者分類（ＫＴＡＳ）４～５段階が軽症・非救急患者だがこれに該当する患者が１日平均６３５２人で、平時（８２８５人）の７７％水準だ。救急室利用者が減り、軽症患者も減った。