【解説】警察トップも大号令 「トクリュウ」を壊滅せよ!
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「ルフィ」からの指示で実行役が強盗に入り、高齢女性が死亡したとされる東京・狛江市の事件。背後にはSNSなどでつながる犯罪グループ「トクリュウ」の存在があった。警察庁長官が取り締まりに大号令をかける「トクリュウ」捜査の最前線を解説する。〈社会部 警察庁担当・高柳遼太郎〉
■日本を震かんさせた「ルフィ」グループ
ことし1月、東京・狛江市の一軒家に強盗が入り、暴行を受けた90歳の女性が死亡した。日本を震かんさせたこの強盗事件では、指示役「ルフィ」らがフィリピンから指示を出したとされ、SNSで募集された実行役が強盗に入っていたとみられている。彼らのようなグループによる凶悪事件が近年相次いでいる。
■「ルフィ」グループなどを「トクリュウ」と名付ける
強盗・侵入盗などの事件のうち、SNSで募集した実行役に犯行を指示するというものは、警察庁のまとめによるとおととし9月から先月までに22都道府県で72件にのぼり、171人を検挙したということだ。
「ルフィ」グループだけでなく、自分たちでグループ名を名乗らず、匿名性の高いSNSなどで指示役が実行役を集めるため指示役が誰か特定しづらかったり、実行役などのメンバーを入れ替え「捨て駒」として切り捨てるなど流動性が高かったりする犯罪グループを、警察庁はことし7月、あらたに「匿名・流動型犯罪グループ」、略して「トクリュウ」と名付け、徹底的な取り締まりに乗り出した。
■警察トップが「縦割り排した戦略的取り締まり」指示
ことし7月の全国の警察本部長を集めた会議で、警察庁の露木康浩長官はこう発言した。「SNSで実行犯を募集する手口は、特殊詐欺のみならず強盗や窃盗にまで拡大しています」「今後は部門の縦割りを排した態勢を構築し、匿名・流動型犯罪グループを部門共通のターゲットとして、戦略的な取り締まりを進めることが必要です」これはどういうことだろうか?
■捜査部門の縦割りを排除
捜査においての部門の縦割りというのを具体的に説明する。いままでは、発生した特殊詐欺事件や強盗事件の捜査は刑事部門が担当し、不良少年の捜査や、「トクリュウ」が犯罪で得た資金を使って運営する風俗店、賭博店の捜査は生安部門が、というように捜査部門がわかれていた。そこで、部門を超えて連携して行っていくことで、「トクリュウ」のメンバーとなり得る人物を把握し、全容をつかもうとしている。