毎朝欠かさず道路掃除&名前を呼んであいさつ…80歳奥村さんが子どもの“見守り”続ける理由
地域福祉などの分野で貢献のあった個人や団体に贈られる南海放送賞。その受賞者を紹介しています。 【動画】たった1人で21年。地域への感謝を込めて、故郷の景観を守りぬく きょうは、地域のために、長年、ボランティアで道路の清掃活動を続け、子ども達の登校を見守る奥村千鶴子さんです。
奥村さん: 「おはようございます。掃除です。小中学生の通学路に行きます」 愛南町城辺に住む奥村千鶴子さん、80歳。
住んでいる団地を中心に、半径1キロ圏内の道路を毎日3時間かけて掃除しています。 「もう毎日よ。もう本当に1週間放っていたらすごいよ。結構鍛えられますよ、これも運動になります」 Q.ほうきの使い方が年季が入ってる 「一応20年してますのでね。ゴミ袋はつぎはぎでガムテープで貼って穴をふさいで。これは離せない」
奥村さん: 「そうちゃんおはようございます。お兄ちゃん、ゆうが君は休み?そう。そうちゃん班長やね、がんばって。さくらちゃん、そわくんおはよう。あやめちゃんおはようございます」 登校する子ども達を見守るのも奥村さんの日課です。1人1人に名前を呼びかけながら、子ども達を見送ります。 奥村さん: 「20年前からですからね、その方なんかも結婚して子どもさんがいますよね」
きっかけは阪神淡路大震災 被災後に帰ってきた故郷で
奥村さんが掃除を始めたのは22年前、きっかけとなったのは- 「阪神淡路大震災でお世話になってそれが基本ですよ。それがなかったら帰ることもなかったしね」 29年前の1月に発生した阪神淡路大震災。奥村さんは当時、夫婦2人で住んでいた兵庫県尼崎市で被災しました。 奥村さん: 「朝びっくりしましたよ。つき上がってくるような地震でしたからね。だからなんもかんも倒れた」
地震発生の2カ月後、奥村さんは夫婦で奥村さんが生まれ育った愛南町に帰り、生活を始めました。 被災後、受け入れてくれた地域への感謝と、生まれ育った町の景観を守っていきたい、その思いで清掃活動を始めました。 奥村さん : 「縁あって三島団地に受け入れていただいたから、みなさんと縁があるからこそ、こうして28年もいられたかなと思って」 団地の住人: 「ずっとやもんね向こうの山からやもんね。えらいなと思うよ」