成果は米ロ首脳会談のみ? 世界での影響力低下が際立つトランプのアメリカ
アメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は7日、G20サミットが開かれていたドイツ北部のハンブルグで首脳会談を行った。米露の大統領による会談は、ペルーで2016年に開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で4分間ほどの「立ち話」がオバマ前大統領とプーチン大統領の間で交わされたのが最後だ。プーチン氏が大統領に復帰した2012年以降、米露首脳会談は短時間の意見交換のみであったが、今回は「立ち話」ではなく正式な会談がセッティングされた。当初は30分程度と考えられていた米露首脳会談だが、会談は2時間15分にも及んだ。この会談で何が話され、どのような成果を両国は得たのだろうか? 大統領選前に相次ぐサイバー攻撃 関与を指摘されるロシアとトランプの関係
ポーランド大統領夫人がスルー?
ヨーロッパでそれほど歓迎されていないことを、トランプ大統領はどれくらい把握しているのだろうか? ドイツ北部の港湾都市ハンブルグで開催されるG20サミットに参加するためヨーロッパを訪れたトランプ大統領は、ドイツ入りする前に隣国のポーランドを訪れ、ワルシャワで演説を行った。演説終了後にポーランドのドゥダ大統領がトランプ大統領と握手を交わした。その後、傍らにいたアガタ夫人がトランプ大統領の方に歩きだし。トランプ大統領は握手するために手を差し出していたが、アガタ夫人はトランプ大統領の横にいたメラニア夫人のところまで歩き、彼女と固い握手を交わしている。故意か否かは不明だが、自らの前をスルーされたトランプ大統領の表情は強ばっており、その様子を捉えた動画は瞬く間に世界中に拡散された。 トランプ大統領がハンブルグ入りする際には、シークレットサービスらが乗る車や、政権スタッフが乗る車、ドイツ警察の車両などが隊列を組むような形で市内を移動した。市内ではG20に反対するデモ隊の一部が暴徒化し、100名を超える警察官が負傷したこともあり、海外の要人に対する警護は普段以上に重要となっていたが、72台の車に守られるようにして市内を移動するトランプ大統領を冷めた目で見る市民もいた。デモ隊の暴徒化によって、メラニア夫人が宿泊先から一時外に出られなくなる事件も発生。トランプ大統領にとっては、ポーランドでの“握手事件”も含めて、散々な形でのハンブルグ入りとなったが、トランプ到着に合わせて多くのドイツメディアが新聞に大きな風刺画を掲載し、世界の流れから孤立していくトランプ政権を皮肉った。