定年後、こんな貯金じゃ生きていけない…絶望的な老後を過ごすかどうかの「決定的な分かれ道」
本当に価値のあるお金の使い道
定年を迎えたとき、「これから老境に入っていくのに、自分の蓄えでやっていけるのだろうか」と心配になる人は多いと思います。 でも、いくら通帳とにらめっこしても、預貯金の額が増えるわけではありません。「金は天下の回りもの」で、くよくよしても始まらない。それに、コロナ禍の例を見ればわかるように、世の中というのはいつ、どうひっくり返るかわかりません。どうなるかわからない先のことを考えて心配するのは時間の無駄ですし、精神衛生上もよくないと思います。 それより、今の自分はどんな仕事がしたいのか、どんな仕事ならできるのかを考えましょう。定年後も働く場はいくらでもあります。 新しい仕事を始めて定収入が入ってくるようになれば、「まあ、最低限これぐらいあればやっていけるんじゃないかな」という目処も立ってくるはずです。 蓄えはそれなりにあるが、子供や孫にできるだけ多く残したいので、自分のためにお金を使いたくても我慢している、という人もいるようです。 しかし、どれだけたくさんお金を残したとしても、問題というのは起こるときには起こります。親が亡くなった直後は「たくさん残してくれて、本当にありがたいね」と言い合っていた子供たちが、今では相続で揉めて犬猿の仲になっている、というのはよく聞く話です。詐欺まがいの金融商品に手を出して遺産を使い果たしてしまうようなことだって、ないとは言い切れません。 一方、残したお金の額が少なければ子や孫は不満に思うでしょうが、文句を言うのはそのときだけで、一年も経たないうちに忘れてしまうものです。 自分が死んだあとのことは誰にもわからないのですから、残せる財産が多かろうと少なかろうと、気にすることはありません。自分のために使うべきお金は使い、残りは法律に基づいた遺言書で家族に分配すればよいのではないでしょうか。 さらに連載記事〈ほとんどの人が老後を「大失敗」するのにはハッキリした原因があった…実は誤解されている「お金よりも大事なもの」〉では、老後の生活を成功させるための秘訣を紹介しています。
丹羽宇一郎