高校生が廃棄する「焼酎かす」を使った新たなプラスチックを発見 「イオンエコワングランプリ」最優秀賞に
鹿児島放送
これまで捨てられてきた「焼酎かす」を利用したある大発見で曽於市の高校生たちが注目されています。 県立曽於高校では科学部に所属する3人が放課後を使ってある研究に取り組んでいます。 曽於高校1年・中迫蘭さん 「産業廃棄物として捨てられている焼酎かすと乳酸を混ぜて、生分解性プラスチックをつくっています」 焼酎をつくる際に出る「焼酎かす」は腐りやすく廃棄にも膨大なコストがかかるとされています。 地元の焼酎蔵からかすの提供を受けた科学部はその活用方法を考えようと研究を始めました。 曽於高校2年・馬塲夏望さん 「焼酎かすを調べて栄養分が豊富だということが分かったので、そこに生分解性のあるポリ乳酸を混ぜて過熱することで『焼酎かすポリ乳酸』ができるんじゃないかと思って研究をしました」 「ポリ乳酸」とは…温度や環境などの条件がそろうと分解されて自然に還る環境にやさしい素材です。 科学部の部員たちはこの「ポリ乳酸」に焼酎かすを混ぜて過熱することで、水に溶ける性質を持った新しいプラスチックが作れることを発見しました。 実際に数か月間水に入れて放置したものを見せてもらうとー。 「あ、崩れちゃった」 (つまんで崩れるのは、それだけもろく?) 「はい、水分を吸収してもろく(なっている)」 馬塲夏望さん 「普通のプラスチックと比べて焼酎かすポリ乳酸は水に溶けて、溶けた後に焼酎かすの栄養分を放出して微生物のエサになる」 こうした性質から、釣り具など海で使う道具に活用することで漂流するプラスチックごみの削減などが期待されるということです。 2年生の馬塲夏望さんともう一人の部員・新田拓海さんは今月、高校生のエコ活動や研究を表彰する大会、「イオンエコワングランプリ」で成果を発表し、研究・専門部門の最優秀賞に選ばれました。 馬塲夏望さん 「他の高校のみなさんもものすごい発表をしていて、目指している賞が獲れるのかなと不安だったので、曽於高校と名前を呼ばれた時にすごくうれしかったです」 今後もさらに研究を進め、より使いやすいプラスチックの開発に取り組むということです。 中迫蘭さん 「これまで全部順調だったわけではなかったので一番良い賞をとれて、先輩たちに感謝しています」 馬塲夏望さん 「科学部の活動は楽しくて、自分のなんでだろうという問いにも先生がヒントをくれて、答えを見つけていくことができて、入ってよかったなと思う」