56分にPK判定→VARで取り消しの不運も

勝利に喜ぶイラク選手とは正反対に、敗北にうなだれる日本。写真：梅月智史（THE DIGEST写真部）

　難敵の前にサムライブルーが痛恨の敗北を喫した。 　1月19日、カタールで開催されているサッカーのアジアカップで、グループDの日本代表はイラク代表と激突。前半に2点をリードされた日本は後半立て続けに交代のカードを使い切るも、イラクの堅い守備を容易に崩せず1対2で手痛い敗戦。日本の決勝トーナメント進出の行方は、24日（日本時間）のインドネシア戦に持ち越された。 【動画】一度はPK判定も…VARで日本のPKは『取り消し』の裁定に覆る 　アジア王座奪還を目指す森保ジャパンが、中東の雄に足をすくわれた。前半わずか5分にペナルティエリア左から浮き球のパスをGK鈴木彩艶が弾くも、ゴール前で反応したアイメン・フセインがヘディングで押し込み、なんとイラクが先制ゴールを挙げる。 　前半のうちに追い付きたい日本だが、ボールを回すもなかなかゴールを割れず。逆に左サイドをドリブルで突破されると、ゴール前へクロス。先制点を奪ったアイメン・フセインが再び頭で押し込み、イラクが追加点をゲット。日本がまさかの2点ビハインドで、前半を折り返した。 　 　56分に日本は、左サイドから伊東純也が抜け出し、敵陣深い位置からグラウンダーのクロス。FW浅野拓磨が抜け出したところで相手DFに倒され、主審は一度はPKを指示。しかしVARが介入した結果、PKは取り消しの判定に覆り、日本は反撃の機会を失った。 　得点を狙うため森保監督は交代カードを次々と切る。上田綺世、 堂安律、さらには旗手怜央、前田大然を投入したが、アディショナルタイムに遠藤航が1点を返すのが精一杯。試合終了を告げるホイッスルが鳴ると、会場を埋め尽くしたイラク・サポーターの歓喜が響き渡った。 「史上最強」と称された日本代表に黒星をつけたイラクの大金星は、海外でも報じられている。米放送局『CBS Sports』のサッカー専門アカウント『CBS Sports Golazo』は、試合終了の瞬間を共有。「イラクが日本を破る大番狂わせを成功させた場面！」と綴り、歓喜に沸くイラクベンチ、サポーターの表情を届けた。イラク・サポーターの中には母国の国旗を振り、涙を流す女性の姿もあった。 　厳しい結果を突き付けられた日本。ここからどう立て直すのか。アジア王者への道のりは、やはりいばらの道である。 構成●THE DIGEST編集部