高校補欠選手が1年後NPBへ! 西武育成2位・谷口 朝陽の「徳島夢物語」<インディゴソックス ドラフト指名6人全員インタビュー④>
NPBに最も近い慣れ親しんだチームで「俺が一番になってやる」
「インディゴソックスに入ったのは、生まれ育ったのが徳島だったというのはもちろんあります。けど一番は、どこよりも一番NPBに近いチームで、『ここならNPBに行ける』環境だと思ったから。あと、中学生の時にインディゴソックスにお世話になったことがあったんです。『自分を知っている指導者がいる、ここなら大丈夫。成長できる』と安心できたことも大きいですね」 そう話す谷口は徳島の生光学園中出身。じつは中学時代に「インディゴコンディショニングハウス」に通っていたのだ。 この施設は殖栗正登トレーナーが経営するフィジカルの強化と治療を同時に行える場所だ。 徳島インディゴソックスの選手たちが日々通っているが、他の野球選手も指導を受けることができる。 「中学1年生の3月、ヒジを怪我してしまったんです。当時から硬式をやっていて負担がかかったことと成長期が重なって、同時に骨折と靭帯を切ってしまったんです。ずっと投げられなかったのですが、病院を探しているときに、『スゴい先生がいるみたいだよ』と当時のチームメイトの親に勧められたのが、コンディショニングハウスでした。 最初は治療や検査、リハビリのために通っていました。そのなかで、先生から『こういうのをやっているよ』というので勧めてもらったのが、『長期育成野球トレーニング教室』でした」 この教室で谷口は身体の使い方を学んだ。大きなケガを抱えてプレーができない中、この教室で得たものは大きかった。 こうした縁もあって「1年でNPBへ行くために」谷口はインディゴソックスを選んだ。もちろん、環境が厳しいのはわかっていた。 「高校3年間、広陵っていう日本一の学校でやってきたので、『俺なら大丈夫』とずっと思っていました。だから入団する前から、たとえどれだけスゴい選手がチームにいても絶対に気持ちで負けない。自分から負けないように、『大丈夫、大丈夫』と言い聞かせていました。 チームには先輩しかいませんでしたけど、『この人には勝てん』と思ったことはありません。逆に『絶対にやってやる。俺が一番になってやる』と思って、練習し続けました」