「(真の)世界王者はオレ。井上尚弥とタパレスが戦う価値があるのか」衝撃TKO勝利でWBAの指名挑戦権を得た前2団体王者のアフマダリエフが豪語…“第3の刺客”として急浮上
プロボクシングのWBA世界スーパーバンタム級の挑戦者決定戦が16日(日本時間17日)、米国アリゾナ州グレンデールで行われ前WBA&IBF世界同級王者で同級1位のムロジョン・アフマダリエフ(29、ウズベキスタン)が27戦無敗の同級2位ケビン・ゴンサレス(26、メキシコ)を8回2分49秒TKOで下した。アフマダリエフは、26日に有明アリーナで行われるWBC&WBO同級王者、井上尚弥(30、大橋)とWBA&IBF同級王者、マーロン・タパレス(31、フィリピン)の4団体統一戦の勝者への挑戦権を得た。井上陣営はタパレスに勝った場合、来年5月に東京ドームでWBCの指名挑戦者である“悪童”ルイス・ネリ(29、メキシコ)とのV1戦を計画しているが、アフマダリエフが“第3の刺客”として急浮上してきた。 来年5月に東京ドームで井上尚弥VS“悪童”ネリのビッグマッチ計画
鮮烈の左アッパーで無敗のメキシコ人を沈める
日本にいる“モンスターを意識していた。4月に僅差の1-2判定でタパレスに敗れて、2つのベルトを失い、井上との4団体統一戦のチャンスを棒に振ったアフマダリエフが、衝撃的なTKO勝利で再起戦を飾った。 リング上での勝利者インタビュー。アナウンサーから「井上とタパレスの勝者への挑戦権を得たが?」と水を向けられると、顔色を変えた。 「それは本気で言っているのか。あれ(WBA&IBF)はオレのベルトだ。オレのベルトをかけて彼らが(4団体統一戦を)戦う価値があるのか。彼らに聞いてみたらいい。あれはオレのベルトだ。オレが(真の)チャンピオンだ」 内に秘めた怒りや不満を表現したようなファイトだった。 6ラウンド。右を出しながら執拗に前進を続けてくるゴンサレスに左フックから鮮烈の左のショートアッパーを2連発で、お見舞いした。ゴンサレスは思わず左膝をついた。鼻から流血しながらもゴンサレスが立ち上がってきたが、つかさず猛ラッシュ。クリンチで逃げようとする相手に対してワイルドに左右のフックをぶちこんだ。ゴンサレスはクリーンヒットを浴びていなかったが、よろけるようにして2度目のダウン。 7ラウンドは勝負を決めにいかず徹底して左ジャブで攻め、8ラウンドに決死の覚悟でメキシコ人が、前に出てくると、そこにもう一度、左アッパーが衝撃的なカウンターとなって顎にめりこんだ。ゴンサレスは、スローモーションを見ているかのようにダウン。それでもファイトを止めなかったが、アフマダリエフが、左右のフックから左のフックを正確に打ち込むと、レフェリーが割って入った。完全にグロッキーのメキシコ人はキャンバスに四つん這いになっていた。 「リングに入ったときにこの相手は絶対に倒すことができると分かっていた。自分が優秀なボクサーで、誰よりも力強く、素早く動けることが分かっていた。しかし、この試合では勝利をつかむために自分が何でもできることを見せたかったし、もうチャンスを逃すことはしたくなかった。それがこの結果。準備はできていたんだ」 アフマダリエフはトレーナーに肩車されて喜びを爆発させた。 アフマダリエフは、リオ五輪で銅メダルを獲得した元トップアマ。2020年にプロ転向8戦目で、WBA&IBF同級王者のダニエル・ローマン(米国)から僅差判定で2つのベルトを獲得し、翌年の初防衛戦では、地元でIBF同級暫定王者の岩佐亮佑(セレス)を迎え討ち、5回TKOで沈めた。だが、今年4月、大方の予想が有利だったにもかかわらず、タパレスに僅差判定で敗れて王座から陥落。モンスターとのビッグマッチを逃した。
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