巨人の1番打者バトルが加速 初起用の浅野が犠飛で今季初打点 ライバルの萩尾は代打安打、佐々木は9回に快音
◆JERA セ・リーグ 巨人4―6DeNA(6日・東京ドーム) 痛恨の逆転負けを喫した中で、巨人の若手野手が確かな光を放った。浅野が今季初打点となる一時勝ち越しの左犠飛、代打・萩尾、途中出場の佐々木もそれぞれ安打を放つなど、今季1番でスタメン出場した若手の躍動を宮内孝太記者が「見た」。 敗戦の中で、若手の躍動が希望の光となった。何としてもチャンスを生かしたいという必死さが得点につながっていたと感じる。象徴的だったのは4回の攻撃だ。 まずは同点の1死一、二塁の場面で代打として登場した萩尾が初球を鮮やかに左前に運び、チャンスを拡大。そして、2日の中日戦(バンテリンD)以来の出場で、今季初めて1番に入った浅野が初球を痛烈に引っ張った。左翼手の頭上を越えようかという当たりは佐野の好捕に阻まれたが、犠飛となり一時勝ち越しに成功した。今季初打点となった浅野が感情を爆発させていたことは、何としても結果を出したかったという証しだろう。 外野のレギュラーを巡った争いは開幕後もまだまだ続いている現状だ。丸が開幕から全試合でスタメン出場しているが、残りの2枠は相手投手などによっての日替わりでの起用が続く。打順もチームとして固定されておらず、特に「1番」は佐々木、萩尾、浅野ら若手衆が務めている。ここにチームとしての伸びしろがあると見る。トップバッターは当然、チームにとって重要なポジションで、軸の一つとなる部分。目の前にぶら下げられた大きな“ニンジン”を巡るし烈な争いの中で、伸び盛りの若手の成長がさらに加速する。 置かれている状況は皆、十分理解している。浅野は「出た時にしっかり役割を果たさないといけない。結果を求めてやりたい」と危機感を強調。開幕3連戦でスタメン出場するも、直近は5試合連続でベンチスタートとなっている佐々木も、途中出場で9回無死一塁から右前安打。「悔しい部分はもちろんあるけどそういう世界だと思うので、受け止めてやっていくだけです」と虎視たんたんと返り咲きへアピールしている。 チームは2連敗となったが、好材料は決して少なくない。特に若手にとっては失敗も成功も全てが成長の糧となる。より高い水準で競い合い、流動的な部分が固まった時、チームに破竹の勢いが生まれるはずだ。(宮内 孝太) ◆村田真一Point この試合に限らず、ヒット数は多いけど、大量点になかなかつながらない状況やね。その要因のひとつが1番打者が固まりきっていないこと。開幕してから佐々木、萩尾、浅野が座ったけど、使い分けているというよりは、まだ阿部監督が試している段階やね。ゴールデンウィーク前までは2番門脇、8番吉川を固定しながら併用していくのかな。長いシーズン、まだ慌てる時期やないけど、早く誰かが台頭してきてくれるといいよね。
報知新聞社