<リオ五輪速報>柔道男子100kg超で原沢が銀メダル
柔道の男子100kg超級の決勝が12日(日本時間13日)現地で行われ、原沢久喜(24、JRA)がロンドン五輪金メダリストのテディ・リネール (27、フランス)に敗れたが、銀メダルを獲得した。 原沢の決勝の相手となったリネールは、世界選手権7連覇を果たしている最強の柔道家。2010年の世界選手権の無差別級決勝で上川大樹に判定負けして以来、6年間負けがなく100連勝以上を続けている。 その絶対王者を相手に初対戦となる原沢は、開始直後に首を抜いて逃げたという指導を受けた。組み手争いに苦しみ、さらに2つ目の指導。1分50秒過ぎには払い腰を仕掛けられたが、なんとかこらえた。原沢は攻めに出るが、組み手を切られ、なかなか組ませてもらえない。残り30秒前でリネールに指導。結局、指導ひとつだけの差で原沢は敗れた。だが、リネールが攻めてこなかったことに会場はブーイングに包まれた。 原沢は、1回戦を指導ひとつの差でアダム・オクルアシビリ(ジョージア)を下し、続く2回戦はウシャンギ・コカウリ(アゼルバイジャン)に3分26秒大内刈りで1本勝ち、準々決勝もアレックス・ガルシアメンドーサ (キューバ)に指導が4つ出て反則による1本勝ちで準決勝へ進んだ。 準決勝は、アブドゥロ・タングリエフ(ウズベキスタン)から3分30秒に内股から大内刈りの連続攻撃で有効。体力が消耗して技をかけられないラングリエフに4つ目の指導がつき反則勝ちで決勝へ進出。この時点で日本柔道男子は7階級すべてでのメダル獲得が決定していた。 原沢は、4月の全日本選手権では敗れたが、国際大会7連勝、代表権争いをしていたライバル七戸龍(九州電力)に体重別で勝っていたことなどが評価され代表に選出されていた。ここまで世界選手権出場経験はなかったが、“打倒リネール”だけを考え怪我などを克服しながら入念な準備をしてきた。日本柔道界にとって象徴ともいえる最重量級を制する責任を背負ってのリオ五輪の舞台だった。 試合後、原沢は、「やっぱり勝ってこそ意味がある。これから何度でも(リネールと戦える)チャンスがある限り挑戦は続けていきたい。最高の舞台で戦えたのは光栄だと思う。(リネール対策は?)前半をしのいで、後半勝負にもっていく考えだった。なかなか自分の組み手になるチャンスが少なくて、組んだときもチャンスをものにできなかった。(日本柔道男子は全階級でメダル獲得したことは?)ロンドンの負けから少しは成長ができたんじゃないかなとは思っています。(プレッシャーは?)みんながメダルを取ってきて自分だけが負けたらどうしようとか、いろいろ考えたが、無心で戦うことだけを考えた」と、終始厳しい表情でインタビューに答えた。