【ロンドン＝黒瀬悦成】英総選挙投票日の４日、ロンドン市内の投票所には英国の未来を意中の候補に託そうと、早朝から有権者が続々と訪れた。 労働党候補に投票したと明かした無職の男性は、公的医療保健制度の改革と住宅政策に最も関心があるとし「こうした政策に真剣に取り組んでくれるのは労働党だけだ」と述べた。 英国への移住希望者を対象とするコンサルタントをしている女性は、保守党が進めてきた不法移民のルワンダへの強制移送計画に反対の立場を示し、「保守党よりも労働党の移民政策が支持できる」として労働党に投票したと語った。 労働党に投票したとする有権者が多い中、書籍編集者の男性は「労働党はスターマー党首の下で左派を切り捨て、中道路線に寄りすぎた」と批判し、核軍縮や気候変動問題でより左派的な立場をとる小政党「緑の党」に投票したことを明らかにした。緑の党は３議席前後の獲得が予想されている。 一方、保守党はロンドンでも苦戦が目立つ。保守党に投票したという会社員の男性は「物価高や経済対策で保守党が適切に対応しなかったのは事実だ」とした上で「保守党は次の総選挙に向けて態勢を立て直すしかない」と指摘した。 投票時間は４日午前７時（日本時間午後３時）から午後１０時（同５日午前６時）まで。英テレビは投票時間中、各党の政策や選挙運動に関する報道が規定により禁止された。