来春卒大学生の採用面接解禁 既に内定率78%、進む形骸化
来春卒業を予定する大学生らの就職活動で採用面接や筆記試験が1日、解禁された。政府が要請する日程ルールで罰則がないこともあり、実際は前倒しで内定が出ている。リクルートの調査では来春卒業予定者の内定率(5月15日時点)は78.1%で、同時期の過去最高を記録。ルールの形骸化が進んでいる。 【図】2025年卒予定大学生の就職活動スケジュール
前倒しの背景には、人手不足に伴い、学生優位の「売り手市場」の傾向が続いていることがある。早期の内定で優秀な人材を確保したい企業側の思惑がうかがえる。 三井住友海上火災保険は1日、1次面接をウェブ形式で実施。モニター画面を通じ学生らと話した。採用担当者は「選考の早期化が進む中、1次面接に参加する学生数は前年水準を維持できた。将来のキャリアを決めきれず臨んでいる学生もまだ多いようだ」と話した。 一方、別の大手企業からは「2月から選考を実施している」「最終面接を行う段階」との声が相次いだ。リクルートによると、5月15日時点の内定率は昨年と比べ6.0ポイント高い。求人倍率は1.75倍になる見通しで3年続けて上昇している。