Laura day romance、春めく日に響いた幽玄なるデイドリーム・ポップ
3月24日(日)に開催された「ツタロックフェス2024」。Laura day romanceのライブレポートをお届けする。 【ライブ写真はこちら】 Laura day romanceが、ツタロックフェス2024に出演するとは正直思っていなかった。 鈴木迅、井上花月、礒本雄太による3人組ギターポップバンドは、2024年1月31日にデジタルシングル「Young life/brighter brighter」の2曲をリリースしたばかりではあるが、『ツタロックフェス』というとラウド性の強いパンクバンドやエモに振ったギターロック系のバンドの出演が多く、どうしてもそういったファンに強く支持されてきた過去がある。 フォーキーかつ軽快なギターポップを奏で続けてきた彼らがどう受け止められるかじつは不安だったが、杞憂だった。 「sad summer」からライブをスタートさせると、乾いたギターサウンドと汗臭さのないボーカルは、3月下旬の春日和な気候にピッタリな心地よさを運んでいく。 白黒チェックのジャケットを羽織った井上は、力感のないあっさりとした歌い口でメロディを紡ぎ、鈴木はレスポール系ギターらしい色気あるギターサウンドを差し込んでいく。 「sweet vertigo」から「wake up call | 待つ夜、巡る朝」へと変わると、礒本雄太のドラム・ベース・鍵盤・ボーカルのみのバンドサウンドに、鈴木がギターでブルージーな色合いを巧みにつけていく。 サポートメンバー含めて6人編成で望んだこの日のライブ。厚みのつけやすいであろうバンドアンサンブルから“あえて”引き算していく演奏により、井上の声はより存在感を増していく。 そして最新曲「Young Life」へ。初期The Strokesかのようなシンプルかつミニマルなロックサウンドが音源で強い印象を放っているが、ことライブにおいては鈴木のギターサウンドと井上のクールなボーカルがそれぞれに色気を漂わせる、素晴らしいギターポップ・ミュージックとなる。もちろん彼らのハイライトシーンだ。 ラストに披露された「fever」は、温かみあるオレンジの照明に照らされて奏でられ、終演を迎えた。パンクでもアリーナ感も強くない、ミニマル&シンプルなバンドサウンド。暖かさのある春模様だったこの日にピッタリな、うっとりとさせられるデイドリーム・ポップだった。 <イベント情報> Vポイント presents ツタロックフェス2024 公演日:2023年3月23日(土)、24日(日) 会場名:幕張メッセ国際展示場 9・ 10・ 11ホール 主催:CCCミュージックラボ(株)/ライブマスターズ(株) 企画:CCCミュージックラボ(株) 制作:ライブマスターズ(株) 運営:(株)ディスクガレージ 特別協賛:CCCMKホールディングス(株) / 三井住友カード株式会社
Kou Kusano