Living in Sapporo《アメリカ人》ジェンソンさん後編 ジャズは言語
【北海道・札幌】200万人近い人口を抱える北海道の道庁所在地・札幌。「さっぽろ雪まつり」を代表とする世界規模のイベントも開催され、多くの観光客が訪れる街だ。そこで札幌に住んでいる外国人に「札幌の魅力」を聴く「Living in Sapporo」の不定期連載をスタート。第6回目後編は、サックス奏者で音楽教育も行っているアメリカ人、ベン・ジェンソンさんに札幌の魅力を聞いた。 (インタビュー・構成/橋場了吾)
初めての海外生活も「Jazz is language」精神で不安を払拭
2011年にミシガンで出会った日本人女性と結婚式を挙げるために日本に来たのが、私の初来日です。彼女の家族は北海道に住んでいるので、北海道はもちろん、東京・京都・滋賀にも旅行で行きました。滋賀は、琵琶湖と五大湖つながりでミシガンと姉妹県・州で、彦根市と私の出身地・アンアーバー市が姉妹都市なんです。山が少なく大きな湖がある場所というのは、確かにミシガンと似ていましたね。 一度アメリカに戻って、2013年から札幌に住んでいます。というのも、奥さんが北海道大学で働くことになり私も一緒に付いてきたというわけです。私はサックス奏者でジャズを演奏していますが、「Jazz is language」(ジャズは言語である)なので、初めての海外での生活もあまり不安ではありませんでした。 ジャズは、インプロヴィゼーション(即興)で展開していくのが楽しいですね。主にカルテット(サックス、ギター、ベース、ドラム)の4人編成で演奏することが多いですが、札幌にも素晴らしいジャズミュージシャンがたくさんいるので、毎回楽しんで演奏しています。
よりオープンに場所でジャズを鳴らしていきたい
札幌は、リラックスできるところがアンアーバーと似ています。東京と比較した札幌、ニューヨークと比較したアンアーバー…。自然が多くて、良い意味で気楽に過ごせるのが良いですね。初めて札幌に来たのは5年前ですが、すぐに気に入りました。 一番好きな日本食はすき焼きです。親戚を呼んで、一緒に食べるすき焼きは最高です。あとは、寿司・そば・お好み焼き、そして焼き魚ですね。アメリカでは、魚はソースをたっぷりかけて食べることが多いのですが、札幌ではシンプルに焼くだけでこんなに美味しいとはビックリしました。ホッケもツボダイも大好きですよ(笑)。 その札幌で、私はHIS(北海道インターナショナルスクール)の音楽の授業を担当しながら演奏活動を続けていますが、オープンな場所で演奏したいですね。ジャズは難しくて敷居が高いと思われがちですが、私はもっと大衆的な音楽になってほしいと思っています。今は月に1回、ジャズクラブやライブハウスで演奏していますが、もっと多くの人が聴ける場所…、夜ではなく昼にもジャズを鳴らしていきたいと思っています。札幌はもちろんですが、東京や沖縄でも演奏する機会があるので、多くの日本の人にジャズの魅力・サックスの魅力を伝えていきたいですね。