「伊藤園お～いお茶新俳句大賞」表彰式で、記念写真に納まる受賞者、審査員ら。（撮影・野上伸悟）

　俳人の夏井いつきさん（67）が9日、都内で行われた「第三十五回伊藤園お～いお茶新俳句大賞表彰式」に登壇した。 　ドジャース大谷翔平投手（30）がグローバルアンバサダーに就任したことでも話題となった、伊藤園の緑茶飲料ブランド「お～いお茶」主催の俳句コンテスト。この日、応募総数約189万句の中から選ばれた最高位の文部科学大臣賞をはじめとする各賞を発表した。同賞は福岡県の川崎智美さん（38）の句「二億年の地層の春っぽい部分」に決まった。 　登壇した川崎さんは「ちょっと緊張して頭が真っ白」と照れ笑い。「普段から趣味として俳句をしておりまして、いつかはこのペットボトルに自分の俳句が載るといいなと思っていましたが、まさか文部科学大臣賞をいただけるとは。信じられない気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。 　TBS系バラエティー「プレバト！！」の俳句コーナーでおなじみの夏井さんは、同コンテストの審査員を務めた。川崎さんの句について「この句においての『春っぽい』というこの部分はまぎれもないすてきな詩になっております」と絶賛した。 　約2億5000万年前には、地球史上最大の生物大量絶滅が起こったという。当時生き残ったわずかな生き物に思いをはせ、「そこからまた命の春が動き出した。あくまで詩ではあるけど、そこに科学という背骨が入ることでリアリティーが手に入りますね」と笑顔。「この句は2億年前に生きていた生き物と今ここにいる私たちを一気につないでくれる。すてきでしょう？　おめでとうございます」と祝福した。 　金子兜太賞は千葉県の菱木あかねさん（11）小学生の部大賞は東京都の小宮花菜さん（8）中学生の部大賞は兵庫県の小西悠生さん（14）高校生の部大賞は大阪府の谷口蓮於さん（18）一般の部A大賞は北海道の水関実法子さん（27）一般の部B大賞は兵庫県の安藤浄子さん（80）英語俳句の部大賞は兵庫県の奥山華さん（17）新俳句フォトの部大賞は三重県の奥野恭平さん（21）がそれぞれ受賞した。