まさかの大コケ!? ドンキの偏愛すぎる「おつまみセット」が1カ月で終売したワケ
ドン・キホーテが2023年11月に立ち上げた弁当・総菜の新ブランド「偏愛めし」。コンセプトは「みんなの75点より、誰かの120点」で、開発担当者の食に対する個人的なこだわりを強く反映している。これまでに「フライドチキンの皮だけ弁当」(538円)、「【R指定?】葉わさびポテトサラダ」(268円)といった人気商品が生まれ、累計売上金額は12億円(10月時点)を突破した。 【画像】“ドすべり”した「偏愛めしおつまみセット」 一方、「誰かの120点」を追求するあまり、思わぬ大コケ商品が生まれることもあるという。「偏愛めしおつまみセット」もその1つで、販売期間はわずか1カ月だった。 偏愛めし商品開発責任者の犬塚康太氏に話を聞いた。 7月1日に発売した「偏愛めしおつまみセット」(322円)は、「お酒に合う」にこだわって開発した。鶏肉にブラックペッパーまみれのたれがかかった「ヤ・ミ・ツ・キ闇チキン」、鶏ハラミを炭火であぶった「噛むほど旨い炙り鶏ハラミ」、さっぱりした紅生姜とまろやかなポテトサラダを組み合わせた「紅ポテ」、枝豆を塩ゆででなくだしに漬けた「吸ってよし食ってよしだし漬け枝豆」 という4種類のおつまみがセットになっていた。 犬塚氏によると、偏愛めしおつまみセットは、「花見など大人数が集まる場で、シェアできる偏愛おつまみがあると良い」というアドバイスを受けて、開発したという。「偏愛めしの入門編のような立ち位置で、4種類のおつまみを少しずつ味わえるようにしました」(犬塚氏)。偏愛めしはニンニクなどをたっぷり使用した、匂いが強いメニューが多い。そのため、セットの内容選定においては、一緒に入れても匂い移りがしにくい組み合わせを採用した。 偏愛めしおつまみセットは犬塚氏の予想と反し、苦戦した。その要因について、犬塚氏は「あえてセットにしたことで、“偏愛者”には伝わらなかったのでは」と分析する。偏愛めしのコンセプトは「みんなの75点より、誰かの120点」で、「好きな人にはとことん突き刺さる商品」であることが特徴だ。そうした中で偏愛めしおつまみセットには「量が少ないので物足りない」といった意見も多く寄せられたという。セットにしたことで満足度が低くなってしまい、消費者の支持を得られなかったようだ。 わずか1カ月で販売を終了した偏愛めしおつまみセット。4種類のおつまみのうち、「紅ポテ」と「吸ってよし食ってよしだし漬け枝豆」 は単品での人気が高く販売を続けているが、「ヤ・ミ・ツ・キ闇チキン」「噛むほど旨い炙り鶏ハラミ」は終売となっている。
ITmedia ビジネスオンライン