米株ラリー失速へ、FRBの利下げ方針維持でも-MLIV調査
(ブルームバーグ): 3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に実施された最新のブルームバーグ「マーケッツ・ライブ(MLIV)パルス」調査では、米金融当局が年内の利下げガイダンス維持を決めたにもかかわらず、米株式相場は上昇の勢いを失う見通しで米国債相場はまだ底入れしないとの見方が示された。
調査回答者93人の予想中央値によると、S&P500種株価指数は20日の5225弱から2024年末には約5454まで上昇すると見込まれている。同指数は23年に24%上昇した後、今年は10%近く急伸しており、調査結果は騰勢が著しく減速するとの見方を示すものだ。
この調査予測は、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大型テクノロジー株や人工知能(AI)による生産性向上期待をけん引役に最高値を更新した米国株が息をのむようなラリーを維持できるのか懐疑的な見方が広がっていることを浮き彫りにしている。
債券の痛み
債券市場にはさらなる痛手が見込まれる。調査の予測中央値では、米10年国債利回りは現在の4.3%弱から4.5%程度に上昇するとの見通しが示された。
一方、ドルは下落する可能性がある。ブルームバーグ・ドル・スポット指数が現在の水準から上昇すると見る回答者はわずか18%で、横ばい予想は3分の1以上、残りは下落見通しを示した。同指数は24年に約2%上昇し、昨年の2.7%の下落の大部分を巻き戻した。
円相場はFOMCの政策決定後に、1990年以来の円安に近い水準から戻した後、対ドルで主導権を握ると予想されている。 円がアウトパフォームすると予想した回答者は43%で、次に人気の高いユーロとポンドの2倍以上だった。
円はFOMCの政策発表前に対ドルで151円82銭に下落した。日本銀行が19日に、2007年以来の利上げを実施した後も緩和的な政策を維持する方針を示したため、円は年初来では依然として7%近い値下がり。
米国債相場は年初来で3%強の値下がり。トレーダーは、米金融当局による急速かつ大幅な利下げを見込む投資の解消を余儀なくされている。