カブス・鈴木誠也

　◇ナ・リーグ　カブス―パイレーツ（2024年5月11日　ピッツバーグ） 　右脇腹を痛め、負傷者リスト（IL）入りしていたカブスの鈴木誠也外野手（29）が11日（日本時間12日）、敵地でのパイレーツ戦に「2番・右翼」で試合復帰。2023年ドラフト1巡目（全体1位）で指名され、この試合がデビュー戦となったパイレーツの超有望株ポール・スキーンズ投手（21）から第3打席で遊撃へ内野安打を放ち、復帰後初安打をマークした。2時間20分の雨天中断明けの満塁機では押し出し四球を選び、この回一挙7得点を奪い、5点ビハインドをひっくり返した。 　待望のHランプが灯ったのは第3打席だった。1―6の5回無死二塁。初球の内角スライダーに対してスイングしようとしたバットを止めた際に右脇腹を気にする仕草を見せたため、クレイグ・カウンセル監督がトレーナーと通訳を伴ってベンチを出たが、鈴木は問題なしを強調。カウント2―2から外角スライダーに泳がされながらも三遊間へ転がし、足で内野安打を勝ち取った。 　ここでスキーンズは球数は自己最多84球に達したため、無死一、二塁で降板。ここでパイレーツ救援陣が乱調で、2番手ニコラスが3者連続押し出し四球、3番手フレミングも押し出し四球を与えて1点差。さらにトークマンの遊撃内野安打でついに同点に追いついた。ここで急に雨が強まり、中断となった。 　2時間20分の雨天中断を挟み、6―6の同点で迎えた再開後の鈴木の打席は4番手ホルダーマンの制球が定まらず、鈴木はストレートの押し出し四球を選んで勝ち越しに成功。さらにベリンジャーもこの回6個目の押し出し四球を選んで一挙7得点を奪った。 　スキーンズは先頭のトークマンには最速101マイル（約162.5キロ）の速球を軸に攻めて空振り三振を奪ったが、鈴木に対しては一転変化球攻め。スプリットとスライダーを見逃してあっさり追い込まれると、3球目のスライダーにバットが空を切った。 　3回先頭で迎えた第2打席もスプリット、内角スライダーで追い込まれると、最後は99.2マイル（約159.6キロ）の外角速球に手が出ずに2打席連続で3球三振に倒れた。 　ILから復帰した前日10日のパイレーツ戦はマイナー戦出場からの休養のため出番がなく、この日がメジャー復帰初戦となった。 　「Fireballing　right―hander（火の玉右腕）」と称される剛腕スキーンズは、パイレーツに入団した際の契約金920万ドル（約14億3500万円）はドラフト選手の史上最高額だった。大リーグ公式サイトのプロスペクト（有望株）ランキングは3位で、投手としては堂々の1位だ。 　鈴木は4月14日のマリナーズ戦で右脇腹を痛め、翌15日にIL入り。今月1日に負傷後、初めて打撃練習を行った。今月8日に傘下3Aのアイオワ・カブスで実戦復帰し2打数2安打。翌9日も2試合続けて出場し、3打数無安打だった。 　負傷前の成績は今季15試合で打率・305、3本塁打、13打点を記録していた。