人体の音出し問題 血液はサラサラよりドクドク ビールはゴクゴク、プハー…ゴーカイな音を毎日立ててられる人生になりたい
【椎名誠の街談巷語】 よく「血液サラサラ」を自慢しているヒトがいますな。 なんだか悔しいので「おめーの血はそこらの小川かよ」などと反発する。 それに、Tシャツの胸に耳をつけると、あのあたりは心臓のナワバリだからサラサラというよりもドクドク音のほうが大きいと思うんだ。あっ、ときどき何か悪そーなものが血管の曲がり角にひっかってる音がするゾ。ドブ掃除したほうがいいんじゃないの? ああいうものを聞くには聴診器というのがいいのだろうがそう簡単には手に入らない。高そうだし。SMプレイなんかで重宝するらしいけれど「サラサラ音」を聞いてなにかコーフンするのかね。まあその道のヒトでないとわからないことなんでしょうな。ああいうのを机に隠しておいて妻に見つかったらどうやって説明するんだろうか。 「いや、これはつまりだね。最近血圧が高くなってきて測らないといけなくなって」 「通販に電池で稼働する安い血圧計が出てたわよ」 「いや、毎日詳しく測らなくてはいけないので」 「そんなに悪いんじゃむしろ医者にいく必要があるんじゃないの」などと紛糾していくキケンがある。 体内を流れるものではリンパ液も大事そうな気がする。あれはどんな音で流れているのだろうか。リンパ液はけっしてドクドクとは流れてはいないんじゃないか。でもその測りかたもわからないしなあ。 体が立てる音でもっともゴーカイなのはゴクゴクというやつですな。イブクロおよび喉もと関係。主にビール対応ですね。 この音を毎日立ててられる人生になりたい。ビールでないとゴクゴク関係にはなりませんな。日本酒なんかでよく「キュッ」っと一杯、というのがあるけれどあれも出どころ不明です。喉のところが関係しているような気がするけれどビールではダメなのか。喉のところにいる通喉関係のおじさんが頑固で通してくれないんだろうねえ。サワーなんてのもなかなか通喉できない。そういうのはあっちいってレロレロやってなさい。こっちは忙しいんだから。なんて言って通過を断られちゃう。 「おじさん、そのレロレロってどうやるんですかあ」