新型コロナの公費負担、4月から完全廃止 ワクチン有料化・治療薬は1万円以上に
厚生労働省が決めた方針への受け止めは?
編集部: 厚生労働省が決めた方針について、受け止めを教えてください。 甲斐沼先生: 3月5日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症の令和6年4月以降の医療提供体制及び公費支援等について」という文書を示しました。新型コロナウイルスに対する医療提供体制、入院調整、各種公費支援などについては、2024年3月末をもって終了し、2024年4月以降は通常の医療提供体制とする方針を明確化しました。 この方針を受けて、各都道府県や自治体は、医療機関で新型コロナウイルスの診療に対応する通常の医療提供体制に移行する必要があります。また、一般流通する経口抗ウイルス薬を取り扱う薬局情報などを把握しながら、それぞれの地域において必要な医薬品が適切に提供される体制を確保することも重要になってきます。
今後の新型コロナウイルスへの対応については?
編集部: 厚生労働省は新型コロナウイルスをめぐる診療体制について、2024年4月以降は公費負担を全廃すると正式に発表しました。今後、新型コロナウイルスに対して、どのように対応すればいいのでしょうか? アドバイスをいただけると助かります。 甲斐沼先生: 今回、厚生労働省が発表した2024年4月以降の新型コロナウイルスの通常診療体制に関連して、月額1万円の入院費補助も2024年3月末で終了となります。また、感染状況に応じて事前に病床を確保した大学病院などの医療機関に支給してきた「病床確保料」や、患者を受け入れた高齢者施設への補助も打ち切りとなります。 こうした状況を踏まえて、2024年4月以降、将来的な感染拡大局面を見据えた体制強化の充実を含めて、感染症に対する注意喚起などの取り組み、救急相談アプリなどを活用した相談体制の強化が、今以上に望まれます。さらに、重症化リスクの低い人が抗原定性検査キットで自己検査できるようになる体制の確立や、解熱鎮痛薬を用意するよう住民へ呼びかけることは、引き続き推進していく必要があると考えられます。