画面に溶け込みすぎ…!岩本照、渡辺翔太ほか「Snow Man」メンバーが冬ドラマで大躍進のワケ
気がつくと、Snow Manから5人もメンバーが冬ドラマに出演していた。岩本照(30)、渡辺翔太(31)と深澤辰哉(31)、宮舘涼太(30)、向井康二(29)である。 【画像】すごい…!鈴木京香「衝撃の茶髪ベリーショート」写真が美しすぎる…! 冬ドラマも後半戦に差し掛かっているというのに「何を今さら」と言われそう。でも、ここまで気がつかなかったのは、5人とも見事にドラマに溶け込んでいるからだと思う。加えるならば「○○くん、初主演!」「新境地のラブストーリー!」といった、うんざりするほどの番宣をさして見かけなかったせいもある。あれを、あんまり見せられると視聴欲が削がれてしまうのを理解してほしい。 5作とも初回から現在まで飽きることなく視聴を続けているが、五様に面白い。それぞれどんな内容なのかをまずは知っていただこう。 ◆感情のないボディーガードに、生徒と恋する高校教師 岩本照が主演を務めるのは『恋する警護24時』(テレビ朝日系)で、ボディーガードの北沢辰之助役。弁護士の岸村里夏(白石麻衣)の警護をしながら、殺害された父親の死の真相を追いかけている。脚本は恋愛ドラマの名士と言われる、金子ありさ。「感情をまったく表に出さない冷血ボディーガードが、最終的には警護対象の里夏と恋に落ちるんでしょう~?」と、毎週ニヤニヤしながら見ている。 事務所の先輩である木村拓哉が演じた『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)でのボディーガードは「あ、VIPの近くにいるかも」というリアリティーがあった。対する岩本演じるボディーガードは、アクションシーンの立ち回りで手足の長さが光っている。どこか王子様感を醸し出ているのは、数々の舞台経験が生きているのだろうか。 そして渡辺翔太が主演の『先生さようなら』(日本テレビ系)。高校教師の田邑拓郎(渡辺)と女子生徒・城嶋弥生(林芽亜里)が淡い恋に落ちていくという、恋愛ドラマではテッパン中のテッパン物語。「こういうドラマが見たかったんだ~」と、私の周囲のおっさんたちが気に入っている。稀有な現象だ。 拓郎には自身が高校生のころ、女性教師を好きになった過去がある。アラサーの渡辺が高校生役を演じるのはやや無理があったけれど、それ以外は総じて甘酸っぱい物語だ。「この子、将来的に『JR SKISKI』のCMガールでしょ」と直感が動いた林芽亜里の瑞々しさ。渡辺の「あ~、こういう先生いるな~」と思わせる親近感。ラブストーリーの少ない今回の冬ドラマには貴重な作品なのである。 2作に共通することがある。いつもはドラマオタクの私もあまり夢中になることのない若手芸能人の主演が多い放送時間帯であることだ。それでもつい見入ってしまったのは、彼らの魅力のなせる技なのだろうか。それとも私がSnow Manの沼に浸かったからだろうか。 ◆この5人、新橋あたりで飲んでるよね? 深澤辰哉が演じているのは、『春になったら』(関西テレビ、フジテレビ系)の岸圭吾役。主人公の椎名瞳(奈緒)のことが好きなのに、言い出せない長年の友人というポジションだ。3ヵ月後に亡くなる瞳の父親に気に入られ、瞳の婚約者に「無責任だ」と物申す。人気ドラマでの好演が光っている。 宮舘涼太は『大奥』(フジテレビ系)松平定信役。主人公の徳川家治(亀梨和也・38)、倫子(小芝風花・26)と微妙な関係にある。彼を地上波ドラマで見られるのは、とても久しぶりだ。 ラストに紹介する向井康二は『リビングの松永さん』(関西テレビ、フジテレビ系)に出演。ドラマのメイン舞台であるシェアハウスに住む、調子が良く、人と距離感を縮めるのが得意な(?)バーテンダーの鈴木健太郎役だ。 5人に共通しているのは「演技が上手い」だ。アイドルがドラマで演技をするとなると、年中ドラマを見ている私はまず、疑って構える。結果、どうにも解せない演技だったとしても「新人ですし」「アイドルだもの」と、その後の成長を見守るようにしている。このルーティンが、今回の5人にはなかったのだ。10代から板の上に立ってきた賜物だろう。 さらにアイドルがドラマや映画に出演すると、「イケメンだから」「かっこいいもんなあ」といったセリフを浴びるのが定番。見た目の良さなんて、こちらは百も承知だ。それをわざわざセリフにされるのはいかがなものかと長年感じている。それが今回、執拗なビジュアル褒めのセリフが5作とも登場してこない。東京ドームを満員にするグループの一員という、スターの気配はすべて消して、5人とも役にすんなりと馴染んでいる。また他の役も見たいという欲が勃発してくるじゃないか。 Snow Manのデビュー時を思い返すと、周囲のおばさんたちが「9人なんてメンバーが多いんじゃ」「きっと誰かそのうち抜けていくよ」と騒いでいた。そんな下馬評を覆し、所属事務所の騒動も飛び越えた。2024年もぶっちぎりの人気で進んでいくと思うし、まだ見ぬ他メンバーの姿もドラマで見せてほしい。 取材・文:小林久乃 小林久乃(こばやし・ひさの)/エッセイ、コラムの執筆、編集、ライター、プロモーション業など。著書に『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ)、『45センチの距離感 つながる機能が増えた世の中の人間関係について』(WAVE出版)、『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社)がある。静岡県浜松市出身。X(旧Twitter):@hisano_k
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