GLAY30周年ライブで感じたスターの魅力 四半世紀語り継がれる伝説のライブは令和でも話題
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> GLAYが9日、埼玉・ベルーナドームで、デビュー30周年記念ライブ「GLAY EXPO 2024-2025」の最終日公演を開催した。99年に千葉・幕張メッセ駐車場で開催した伝説の20万人動員ライブのセットリストを、25年ぶりに再現した。時間とともに変化する魅力も、変わらぬ魅力も感じさせつつ、観客を熱狂させ続けている。 デビュー5周年の99年7月、幕張メッセ駐車場で開催した「GLAY EXPO ’99 SURVIVAL」で日本音楽史上最多の20万人を動員した。今回、「リバイバルしてほしいライブ」として同公演がファン投票で選ばれた。セットリストだけではなく、冒頭でアリーナ中央の雪だるまのような巨大バルーンから登場するなど、25年前をオマージュしたような演出を多数取り入れた。 記者は99年の「GLAY EXPO」当時中学生だった。ライブのステージだけではなく、熱狂する観客たちの映像はワイドショーなどの情報番組で幾度となく流され、非常に印象的だった。同年12月に「Winter,again」で日本レコード大賞に輝くGLAYはまさにスターで、「誘惑」「SOUL LOVE」(いずれも98年)などのシングル曲は、家族も友人も、誰もが知っていた。 25年前は、今のベテラン記者たちが現地で取材していた。このほど社内で居合わせた先輩記者らからは「この前のGLAY行っていたんでしょ? 今でも当時のことはよく覚えている。暑かったし、なんせ20万人もいるからいろいろと大変だった」、「ライブ本編を取材する記者は別にいたけど、社会的にも大きな出来事だから社会の記者として周辺取材をしていた」などと回想された。今回のベルーナドームでも、他社のベテラン社員から「ニッカンは当時、●●さんが現場取材に来ていたと思うよ」と明かされた。 ベルーナドームでは2日間で3万人を動員した。客層は老若男女で、家族で来場しているようなファンもいた。中盤のリーダーTAKURO(53)のスピーチに拍手したり、アンコールのHISASHI(52)のMCで笑ったり、ラストにJIRO(51)がメンバー紹介を受けると黄色い大歓声を上げたり、と多幸感にもあふれた3時間半だった。 アンコールでは、TERU(53)が99年のライブで「カッコいいでしょ? やっぱGLAYって、パンクじゃん?」と話す場面の映像がモニター流れた。25年後のTERUはステージで「カッコいいでしょ? やっぱGLAYって、ロックじゃん?」と尋ね、会場を沸かせた。 時代も令和に変わり、音楽業界も多様化している。当時とは何もかも違うようで、変わらない魅力もある。ライブのラストでは17枚目アルバム「Back To The Pops」の10月リリースや、全国8カ所で15公演を行うアリーナツアーの11月からの開催などを発表し、メモリアルな30周年イヤーはまだまだ続く。 長年多くの人々を魅了し続けるGLAYはあらためてスターだと感じると同時に、四半世紀たっても当時の鮮明な記憶とともに語り継がれるようなライブやイベントを、自分はあと何回取材できるのだろう、と記者としても背筋が伸びるような思いだった。【横山慧】