<リオ五輪予選速報>なでしこ、韓国に痛恨1-1ドロー。
攻めながらも均衡を破れない日本は、局面を打破するため、後半13分、岩渕を上尾野辺に代えて投入、1.5列目に置き、勝負をかけた。18分、ゴール前の混戦の中、岩渕がボールを奪い、思い切りのいいシュートを仕掛けたがゴール右へ。21分、韓国も中盤にチョン・ガウルを入れて動いてきた。23分、そのチョン・ガウルがゴール前に入れてきたクロスを防ぎにいった近賀が転倒した際に、手がボールに触れ、痛恨のハンドをとられた。PKは、神戸でプレーしていたチ・ソヨンが蹴ったが、右へのシュートを福元が読みきって好セーブ。絶体絶命のピンチを脱した。 28分にも、チョン・ガウルに右サイドを抜かれフリーにさせたが、有吉が体を張ってディフェンス。31分には、日本は疲れの目立っていた横山に代えて中島を入れた。運動量が落ちて連動ができなくなってきた日本には、苦しい時間帯が生まれ始める。 39分、日本がついに均衡を破る。川澄のクロスに対して、前に出てきたキーパーがパンチングミス、スルーしたきたボールを待っていた岩渕が、ヘッドで冷静に無人のゴールへ流しこみ、待望の1点を奪った。 しかし、直後の42分、右からのクロスボールを福元が一度キャッチしたもののボールをこぼし、それを見逃さなかったチョン・ソルビンがゴール右へシュート。手痛いミスから同点を許してしまった。 アディショナルタイムにも決定的なチャンスをつかんだが、決めきれず痛恨のドローとなった。 試合後、佐々木監督は、「勝負に行ったのですが、なかなか勝たせてくれない。(勝ち点1しか奪えずに)もう(五輪切符獲得は)他力になるが、最後まで、なでしこのサッカーをやるしかない。選手は切り替えて、前向きにやってくれたが、うまい具合に結果として出なくて、選手にも(ファンの)皆さんに申し訳ない。選手は、なんとかという気持ちでやってくれている。前を見て、3戦すべてを勝つと、その過程のなかで結果が出てくると思うので、あきらめずに最後まで戦いたい」と厳しい表情で語った。 キャプテンの宮間も顔色がなく、しばし絶句した。 「勝たなきゃいけない試合だったので残念です。内容どうこうでなく、勝たなければ意味がなかった。本当に残念です。(ポジションが前へなって)得点に絡むことが仕事だと思っていたが、絡めなかったことに責任を感じています。でも、終わったわけではありません。全員で切り替えていきたい」 北朝鮮が中国と引き分けたことで、2位争いは混戦状態になってきた。今後、韓国、北朝鮮が豪州戦をどう戦うかに左右され、日本が厳しい状況に追いこまれたことは間違いないが、まだ可能性は消えたわけではない。