「オゼンピック」など糖尿病や肥満症の薬、米成人8人に1人が経験
(ブルームバーグ): 米国では、成人の8人に1人が「オゼンピック」や「ゼップバウンド」といった糖尿病や肥満症の治療薬を使用した経験があることが調査で示された。こうした薬がいかに急速に普及しているかが浮き彫りとなった。
医療関連の調査機関KFFが10日発表した世論調査によれば、過去に使用経験のある人のうち約半数は現在も使用を続けている。KFFの調査結果が米国の全成人人口を反映していると仮定した場合、約3000万人の米国人がそうした薬を試したことになる。
ここ数十年にわたり糖尿病や肥満症の割合が高まっている米国では、イーライリリーの「マンジャロ」やゼップバウンド、ノボ・ノルディスクのオゼンピック、「ウゴービ」といったいわゆる「GLP-1受容体作動薬」が広く普及しつつある。ただ依然としてコストが障壁となっている。使用経験があると回答した人のうち半数余りは、クーポンや保険適用があっても安くは手に入らないと答えている。
オゼンピックの1カ月当たりの薬代は、割引やリベート(割戻金)前で約1000ドル(約15万6000円)。KFFの世論調査によれば、購入に際し医療保険の適用を受けている人のうち半数余りは、保険によりコストの一部がカバーされていると回答。一方で全額が保険でカバーされるとの回答の割合は4分の1だった。
また回答者の約3分の1は、GLP-1受容体作動薬について「よく耳にする」とし、この比率はKFFが昨年7月に実施した前回調査での19%から上昇した。また約10人に4人が、体重減少が使用の主な目的だと回答した。
GLP-1受容体作動薬は当初、糖尿病の治療薬として開発されたが、使用により減量効果も認められる。最近では、肥満症治療薬として承認された薬もある。
KFFによる世論調査は4月下旬、約1500人の成人を対象に英語とスペイン語によりオンラインおよび電話で実施された。
原題:One in Eight US Adults Have Taken Ozempic or Similar Drugs (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jessica Nix