【自律神経ってなに? 整える方法】つらい冷え性・原因不明のイライラ・しんどい低気圧不調に
自律神経が乱れると……?
自律神経のバランスが乱れて、どちらかにかたよると次のような症状が出やすくなるのだとか。 交感神経優位にかたよると…… ●首肩こり ●高血圧 ●のどの渇き ●緊張型頭痛 ●イライラ ●耳鳴り ●動悸 ●感覚過敏 ●胃痛(食後) ●血行不良(血管が細くなる) ●呼吸が浅い ●口の渇き ●頭部からの汗 ●眼精疲労 副交感神経優位にかたよると…… ●うつ ●低血圧 ●だるさ ●無気力になる ●吐き気 ●腹痛 ●落ち込みやすい ●アレルギー反応 ●胃痛(食前) ●血行不良(血管が拡がり過ぎる) ●むくみ ●関節痛 ●体が重い 現代人は交感神経にかたよっている人が多いため、「交感神経にかたよっているな」と感じた方は、深呼吸してみましょう。呼吸は、吸う息で交感神経、吐く息で副交感神経が働きますので、“吐く息を長く”を意識して呼吸することがポイントです。
自律神経を整える、セルフケア
朝日を浴びる ・体内時計をリセット 朝起きて太陽の光に触れることで、私たちの体内時計はリセットされます。じつは体内時計は24時間ぴったりではありません。23時間台の人もいれば25時間台の人もいるので、お腹が減るタイミングなどが徐々にズレていかないように、毎朝決まった時間にリセットしてあげましょう。これは、自律神経のバランスを整える上でとても大切です。朝日を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌から、精神や姿勢、集中力、記憶力などに関わるセロトニンの分泌に切り替わります。毎朝のスタートをそろえることで24時間に合わせて生活できるようになるのです。そして、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌をストップさせるためには、1500~2500ルクスの明るさが必要になります。通常、部屋の中の明るさは500ルクス程度。健康や美容のためにも直接太陽を見ないように、例えばレースのカーテン越しに朝日を部屋に取り入れる程度でも十分な光が得られます。 ・夜の寝付きが良くなる じつはこの朝の行動は夜の入眠にも影響しており、私たちの体は朝日を浴びた14~16時間後に眠くなる仕組みとなっています。ですので、なかなか寝付けないという人も朝の習慣の改善が重要になるのです。また、朝起きてから動くまでに時間がかかる「朝が苦手なタイプ」の人にもおすすめです。最初は少しつらいかもしれませんが、習慣になると気持ちよく1日をスタートして活動できるようになるでしょう。特に低血圧の人や朝方に気圧が下がっている時は、体が動きにくくなるため、朝起きて太陽の光に触れる習慣をつけてください。 1日10分、ぼーっとする ・ストレスが多い現代人 現代人はとにかく働き過ぎる傾向にあります。私が普段治療をしていると、働きモードの交感神経にかたよりが強くなっている人が多いと感じます。また、テレビやスマホなどの画面を見る時も働きモードになるため体は休まりません。このような興奮や緊張状態が続くと、自律神経が乱れて不調につながります。自律神経は心の状態にも関係するため、心のコップがストレスでいっぱいになってしまうと大きな病気や強い精神疾患に発展してしまいます。ですので、コップがいっぱいになる手前で意識的にストレスを解消して、定期的に発散する工夫が大切です。 ストレスを溜めない具体的な方法は、1日10分、一人時間を作ることです。植物が多い公園や湯船の中などであれば、よりリラックス効果が高まります。その時は仕事や家事、悩みごとを考えずにぼーっとしましょう。一人の時間ですから、ため息も我慢せず、ストレスを吐き出すイメージで、吐く息を長く意識しながら、ゆっくりと深呼吸をしましょう。この少しの休息で、リラックス作用のある副交感神経が優位に働く癖がつくのです。副交感神経のスイッチを入れる癖づけをしていくことは、体にとって非常に大切です。 バナナの「トリプトファン」がメンタル不調に活躍 ・メンタルを安定させる優秀食材 バナナには、体に重要なミネラルのひとつであるカリウムや、腸の健康に良い食物繊維などが含まれ、とても栄養豊富な食材です。そんなバナナの栄養成分の中でも注目したいのが「トリプトファン」です。トリプトファンは、精神安定には欠かせない「セロトニン」の材料となりますが、体内で作ることができないため、食べものから摂取する必要があるのです。そして、セロトニンは腸から分泌されるため、腸内環境を改善することも重要ですので、食物繊維も摂れるバナナは、メンタルの安定にうってつけというわけです。 ・バナナとヨーグルトは相性がいい バナナは「痰湿(たんしつ)」といって、体に溜まったネバネバ質のようなものを解消する働きもあります。ネバネバ質に関係する老廃物の除去、便秘や痔の改善、痰の改善、抗酸化作用があるため、免疫にいいバナナをぜひ定期的に食べましょう。ただし、バナナは体を冷やす陰性食材です。温かいものを口にした後に食べるか、1日の中で体温が高い15時から夕方頃に食べるようにするとよいでしょう。また、バナナに含まれる糖質は20分程度で消化されるため、運動する30分前に食べることでエネルギーになりやすい食材でもあります。さらに、バナナに含まれるマグネシウムは、ヨーグルトに含まれるカルシウムの吸収や働きを助けます。これらを一緒に食べることで、食物繊維と乳酸菌を同時に摂れる整腸食材になります。バナナとヨーグルトはよく組み合わせて食べられますが、骨形成の促進・骨粗しょう症を予防する効果が期待できます。バナナの他にトリプトファンが多く含まれる食材は、大豆製品や乳製品、米、トウモロコシなどの穀類、ピーナッツ、卵、ごまなどです。 夕方のトイレは我慢しない ・尿が余計な熱を冷ます 夕方の過ごし方は、睡眠や膀胱炎に関係します。不眠や頻尿にお悩みの方は、夕方(15~18時頃)の習慣に気をつけてみてください。まず睡眠についてお話をすると、特に寝付きに関わってくるのですが、私たちの深部体温は夕方にピークを迎えます。そして就寝前に向けて徐々に体温が下がることで眠気が誘発されます。尿は体内の余計な熱を体外に出す働きがあるため、深部体温が高い時間帯である夕方に体温を下げるきっかけを作る手段として、トイレを我慢するべきではないのです。仕事や家事が忙しくてついトイレを我慢しがちな時間帯ですが、心当たりのある人は意識してみましょう。さらに、深部体温がピークになる夕方は免疫力も低くなるため、トイレを我慢すると膀胱炎にもなりやすくなってしまいます。 ・脚の血流不足が頻尿の原因に そうは言っても、そもそも夕方に尿意が来ないという人もいるかもしれません。例えば脚の筋肉量が少ない人は、足の末端から膀胱へと重力に逆らって余計な水分を回収することが苦手です。そのような人は日中のトイレの回数が少ない傾向にありますが、重力の抵抗を少なくすることで水分を回収しやすくなり、尿意が来ることでしょう。具体的には、13~15時の間に横になり、15~30分程度の昼寝をすることで、その後の夕方に尿意が来るようになるはずです。脚の筋力不足・血流不足によって日中に余計な水分を回収しづらい人は、横になった夜の睡眠中にトイレが近くなる夜間頻尿にもなりやすくなります。また、汗をかくことも余計な熱や老廃物を体外へ出す働きがあります。時間がある休日は15~17時頃に少し運動をすることもおすすめです。 不調のある時はスマホを控える 戦争や災害、パンデミックなど、スマホを開けば暗いニュースが次々に表示される昨今。日常の中でふと衝撃的な映像や情報を目にした時、自律神経が乱れている人ほど不調が起こりやすくなります。特にネガティブな内容はメンタルに強く影響しますので、不調のある時は極力テレビやスマホを見ないように気をつけましょう。そして、自律神経が乱れて余裕がなくなると、伸びをする動作が少なくなります。朝起きた時や、閉鎖的なところから開放的な場所へ出た瞬間に思わず伸びをしたり、少し疲れた時に体をグーっと伸ばした経験は誰もがあるはずです。このような体が無意識に行う動作は体に良いことなので、最近伸びをしていないなと思った人も、久しぶりに意識して体を伸ばしてみましょう。きっと気持ちがいいはずですよ。気持ちがいいということは、これもまた体に良いというサインになります。また脇には、肝経と関わりの深い「胆経」という経絡が走っています。両手を上に伸ばしたついでに、そこから横に倒して脇のストレッチも行いましょう。脇の気血の巡りを改善することもメンタルに良い養生となります。自然の中で行えば、よりリラックスできて効果的です。