センバツ高校野球 健大高崎、駆けろ春舞台 2年ぶり6回目 打力磨き優勝目指す /群馬
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)に出場する36校を決める選考委員会が27日、大阪市の毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、昨秋の関東大会で4強に入った健大高崎(高崎市中大類町)が選ばれた。健大高崎は2年ぶり6回目のセンバツ出場。3月10日に組み合わせ抽選会が行われ、大会は同18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【西本龍太朗、川地隆史】 これまでは出場校に決まると各校へ電話で伝えられていたが、今年はインターネット上のライブ中継での発表となった。会議室で中継を見守っていた加藤陽彦校長や青柳博文監督らは、午後3時40分過ぎ、校名が読み上げられると安堵(あんど)の表情を見せた。 その後、加藤校長らは、吉報を待つ部員らが集まっていたグラウンドへ向かった。関東地区の代表として選ばれたことを緊張した面持ちの部員たちに告げ、「日ごろ支えてくれている多くの人への感謝の気持ちを忘れず、優勝を目指して頑張ってほしい」と激励した。 森田光希主将(2年)は「選ばれて素直にほっとしている」と喜んだ。大会に向けては「関東大会では投手に頼る場面が多かった。戦術を見直し、足を絡めながらアグレッシブに攻撃したい」と意気込んだ。 健大高崎は昨秋の県大会で、春を制した前橋育英、夏の選手権に出場した樹徳といずれも春と夏の決勝で敗れた相手に雪辱して2年ぶりに優勝。関東大会では、粘り強さと集中打で4強入りした。 エースを担う小玉湧斗(同)は「センバツのマウンドに立つという実感がわいた」と話した。関東大会では3試合に先発したが準決勝の山梨学院戦では五回で降板。「一つの大会を投げ切るのがエースの役割。甲子園では投げ切って優勝できるよう力を付けて臨みたい」と気持ちを新たにした。 センバツでの最高成績は2012年大会の4強。青柳監督は「出場するからには日本一を取りたい。秋の大会で振るわなかった打撃力を向上させて、初戦に向けて準備したい」と語った。 ◇健大高崎 12年春に4強入り 1968(昭和43)年創立の私立校。2001年に前身の「群馬女子短期大学付属高校」から「高崎健康福祉大学高崎高校」に名称が変わり、男女共学となった。部活動が盛んで、硬式野球、サッカー、陸上、ソフトテニスなどが強化指定部になっている。 硬式野球部は01年創部。11年夏に甲子園初出場を果たすと、翌12年春のセンバツで4強に進んだ。14年夏から3季連続で甲子園に出場し、2季連続で8強入り。17年春のセンバツでは8強に入った。21年春のセンバツも初戦を突破した。 硬式野球部OBには、長坂拳弥(阪神)、柘植世那(西武)、湯浅大(巨人)らがいる。22年のドラフトでは清水叶人が広島から4位指名を受けた。 ◇号外配布に喜びの声 保護者ら「本当にうれしい」 健大高崎のセンバツ出場が決まった午後4時15分ごろ、校内の練習場周辺で「健大高崎に春切符」などと書かれた号外が配られた。 星野翔選手(2年)の父勝さん(47)は「息子はけがで裏方に回っていたが、出場が決まって本当にうれしい。日本一を目指してがんばって」と声を弾ませた。【川地隆史】