下町俊貴、圧巻TKO勝ちで日本スーパーバンタム級王座V2 世界みすえ5・6井上尚弥―ネリ戦を生観戦へ
◆プロボクシング▽日本スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ10回戦 〇王者・下町俊貴(TKO 5回1分7秒)同級1位・デカナルド闘凜生●(13日・エディオンアリーナ大阪第2競技場) 王者・下町俊貴(27)=グリーンツダ=が、同級1位・デカナルド闘凜生(とぅーりお、27)=六島=から5回に3度ダウンを奪ってTKO勝ちし、2度目の防衛に成功した。通算成績は下町が18勝(12KO)1敗3分け、闘凜生が7勝(4KO)2敗2分け。 1位挑戦者を相手に、サウスポーの下町の強さが際立った。リーチ差で勝る王者は、初回で距離感をはかると「遠いジャブが当たると思った」と見極め、2回から一気に攻勢。自らのパンチはクリーンヒットさせる一方、闘凜生のパンチをまともに食らわず戦い続けた。 5回、相手の見えない角度から右アッパーを放り込み、最初のダウンを奪った。立ち上がった闘凜生に連打を浴びせ、2度目のダウンをゲット。それでも立ち向かってきた挑戦者に、最後は左ストレートを命中させた。三たびダウンさせると、レフェリーが試合をストップ。圧巻の快勝劇だが、王者は「たまたまタイミング良く当たっただけ」と謙虚に喜んだ。 試合前日(12日)の計量後、恒例のフェースオフで闘凜生とにらみ合った際、下町は「怖い。(防衛は)大丈夫かな」と相手の気迫に押され、不安になったというが、試合が始まると、世界ランカーの強さを見せつけた。現在のランキングはIBFスーパーバンタム級9位。同階級の頂点には4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=がいる。将来の世界挑戦を見すえる日本王者は「東京ドーム? はい、行きます」と即答。5月6日の井上―ルイス・ネリ(メキシコ)戦を生観戦し、学びを得るつもりだ。 陣営の本石昌也・グリーンツダジム会長は「まずは世界ランキング5位以内に入らないと。チャンスがあれば、もう一つ上のベルトを狙わせたい」と今夏予定の次戦でWBOアジアパシフィックや東洋太平洋の同級王者に挑むプランももつ。下町も「まだまだですが、少しずつレベルアップして、世界へ行きたい」とアピール。井岡弘樹、山口圭司、高山勝成以来となるグリーンツダジム4人目の世界王者へ、挑戦は続く。
報知新聞社