南城市長の不信任案を否決 セクハラ疑惑巡り市議会 第三者委設置も先送り 沖縄
沖縄県南城市の古謝景春市長のセクハラ疑惑をめぐり、2月定例会最終日を迎えた南城市議会は18日、古謝市長の不信任決議案を与党の反対多数(賛成7、反対11、退席1)で否決した。市長の言動には与党からも「猛省」を求める意見が出ているが、議会による調査は進まず、第三者委員会の設置も先送りされた。 南城市議会最終日ドキュメント
この日は、野党、中立、無会派の市議6人が不信任案を提出した。古謝市長は一連の疑惑を否定しているが、2月議会で、被害を訴えた元運転手の女性の個人情報をSNSや議場で暴露したり、琉球新報の取材に「(議場)でうそをついた」と述べて答弁を修正したりするなど、公人としての資質を疑われる言動を重ねたからだ。 野党・真南風会の宮城尚子氏は「社会的常識では考えられないほどに人権意識やコンプライアンス意識のない人物が市政を担っている。即刻退陣を求める」と提案理由を説明した。 採決では、与党がそろって反対に回り、否決された。ただ、ゆまぢり会の新里嘉氏は採決前の討論で「不信任にあたるとは言えない」としながらも、市長の一連の言動について、「事実なら軽率で猛省すべきだ」と苦言を呈した。 与党の提案でハラスメントに関する特別委を設置した議会も、2月議会では「職員アンケートの実施」が決まっただけで具体的な調査は進まなかった。
この日は野党、中立、無会派の8人から、「公正・公平」に実態を調査するための第三者委の設置を求める動議が提出されたが、採決もされないまま終わった。第三者委設置を求める市民団体の陳情の採択見送りが11日の特別委で決まり、中村直哉議長が「一事不再議」の原則から「受け付けられない」と指摘したからだ。一事不再議は、一度議決した案件は、同じ会期中には審議・審査しないという議会の決まり。結局、提出者側が取り下げた。 こうした事態を受け、「市議会は二元代表制の役割を全く果たせていない」(中立・凛の会の仲間光枝氏)という危機感が出ている。 第三者委の動議を提出した市議8人は閉会後の18日夕、中村議長宛てに、地方自治法に基づき臨時議会を開くよう市長に請求する要請書を提出した。6月定例会より前に第三者委を早期に設置するためだ。 一方、この日の古謝市長は、不信任案が提出されたことなどを問う報道陣の取材に沈黙を保った。
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