辰吉Jr、危機一髪!軽トラと衝突していた!
デビュー戦2戦目もKOで飾った辰吉寿以輝(18歳、大阪帝拳)が21日、大阪・京橋のジムで一夜明けの会見を行い、2週間前に巻き込まれていた交通事故の詳細を説明した。軽トラに衝突されるという下手をすれば選手生命にかかわるような大事故だったが、その危機を乗り越えて周囲に黙ったままKO勝利につなげたあたりは、やはり親父の血筋。関西の深夜に放映された試合の視聴率は、深夜では異例の4・4%をマーク。その注目度も高まってきた。
まさに危機一髪だった。辰吉Jrが交通事故に巻き込まれたのは7月6日。試合のちょうど2週間前だ。寿以輝は体力強化をかねて、守口市内の自宅から京橋のジムまで自転車で通っているが、練習終了後の帰宅途中にそのアクシデントが起きた。 ジムの先輩で東洋ランカーの中澤奨と並んで、交差点を左折しようとしたとき、前方不注意の軽トラが、右折してきて彼らのところに一直線に猛スピードで突っ込んできた。 「右肩のあたりにトラックが直接ぶちあたった。ぶっとばされた」とは、寿以輝。中澤も「考えられないコースで突っ込んで来たんです。僕が内側を走り寿以輝が外側だったんで。寿以輝がふっとばされたし車に踏まれて自転車の前輪、後輪がグチャグチャになっていた」と、事故の様子を語った。 最初は、「おまえはディフェンスが甘いのう」と、大爆笑していた中澤も、事の重大さに青冷めて「大丈夫か?」と聞くと、辰吉Jrは「折れてへんから大丈夫」と答えたという。 「親父が言うていたんですが、『骨が折れると腕は動かへん』と。腕を動かしてみたら動いたからね。こりゃ骨は折れてへんと思ったんです」 父の元WBC世界バンタム級王者、辰吉丈一郎の教えを咄嗟に思い出したという。 すぐさま、その場に救急車が呼ばれ、寿以輝は病院に運ばれた。幸い骨に異常はなかったが、自転車ごと車の下に引きずりこまれていれば、どうなっていたかわからない。 吉井寛会長も、「腕が動いても折れていることがある。反射神経があったから大事にならなかったんだろうけど、ひとつ間違えば怖かったよね。ミットが打てないと言っていたのでおかしいとは思っていたんだが」と苦笑い。 軽トラとぶつかっても「折れていない」の一言で済ますあたり、不死鳥と呼ばれた辰吉丈一郎の息子らしい伝説だろうが、ひとつ間違えれば選手生命にも関わるような大事故だった。