匝瑳に新たな文化拠点 ブックカフェ&リユース「ぐるり」オープン 貸し本棚、手作り雑貨やアート作品展示
匝瑳市の「街の本屋」として市民らに利用された多田屋八日市場本店が2022年12月に閉店した中、街の文化拠点を再構築しようと、同市八日市場地区の商店街通りにブックカフェと中古品の店「ブックカフェ&リユースぐるり」がオープンした。 コーヒーなどを飲みながら本を開いて思い思いに過ごせるスペースで、棚主が手作り雑貨やアート作品を展示・販売できる有料貸し棚などを設置。新たな交流の場としても活用されている。
多田屋八日市場本店跡地の向かいに同店を開設したのは、市地域おこし協力隊員の北條将徳さん(30)で「地域の居場所や、新しいことが始まる場所に」と意気込む。 店名の「ぐるり」は「人やモノ、情報が循環する場所に」との思いを込め、市名の漢字の「匝(めぐ)る」も重ねる。 書籍類はイベント会場などで寄付などで集まった本がほとんどで、本好きの北條さんの持ち込みを含め、多ジャンルの800冊ほどが並ぶ。飲み物は市内店のオリジナルブレンドコーヒーや、県産茶などノンアルコール類を販売する。メニューは増やす予定。 室内はカウンター席と子連れなどを想定した小上がりを設けた。移住者仲間も協力してほぼDIYで地道に改装した。有料の貸し本棚は100区画のうち、約60区画が利用されており、本をはじめ、手作り雑貨、アート作品の紹介、情報発信など棚主のそれぞれの表現や挑戦として活用。展示物の販売もできる。 北條さんは「お客さんや棚主さん同士で会話やつながりが生まれるのはうれしい」と笑顔で店に立つ。「ここは皆さんがつくる場所。『地域の掲示板』のような存在にしたい」と思いを込めた。 営業は午前11時~午後7時。日・月曜定休。インスタグラムに情報を掲載している。中古品などの問い合わせは北條さん(電話)090(9805)8769。