北アルプス薬師岳…山頂のお堂が建て替えられた去年に続き『今年の“山開き”の歴史的出来事とは』
北アルプスの名峰、薬師岳の山開きが6月16日行われました。 山頂にあるお堂が建て替えられた去年に続き、今年も、薬師岳の開山史上、歴史的な出来事がありました。 BBT富山テレビのカメラマンのリポートです。 立山連峰の薬師岳(標高2926m)。 古くは、麓の村人から「重い病気も薬師に祈れば治る」と信じられてきた信仰の山です。 その頂に建つ祠、薬師堂には薬師如来が安置され、200年以上前から脈々と受け継がれてきました。 そして去年、近隣の山小屋や有志でつくるプロジェクトの呼びかけで国の内外から寄付が集まり、老朽化していた薬師堂が半世紀ぶり(52年ぶり)に建て替えられ、新しく生まれ変わりました。 薬師如来は冬の間、麓の大川寺に安置され、毎年6月、薬師岳の山開きにあわせて山頂の薬師堂まで担ぎ上げるのが習わしです。 今年は歴史的な山開きとなりました。 薬師如来の脇侍、月光菩薩と日光菩薩の仏像が寄進され、開山史上初めて、山頂の薬師堂に薬師三尊が納められることになったのです。 薬師堂の再建プロジェクトを担った「薬師如来尊堂を守る会」のメンバーが山頂まで運びます。 山開きの記念登頂にはおよそ90人の登山者が参加、2日間の日程で有峰の登山口から薬師岳の山頂までを往復します。 1日目、6月15日に登山口から5時間の道のり、標高2330mの太郎平小屋に到着です。 そして2日目、16日に小屋を出発してから、およそ3時間で薬師岳山頂に到着です。 薬師堂に初めて薬師三尊が並んだ歴史的な瞬間です。 *菩薩を寄進した 五十嶋博文さん 「事故のない安全登山を願っています」 いよいよ夏山シーズン本番、今年からは薬師三尊が登山者の安全を見守ります。
富山テレビ放送